「久しぶりの名画座2本立て鑑賞。番組は、ルチオ・フルチ監督の『地獄の...」地獄の門 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりの名画座2本立て鑑賞。番組は、ルチオ・フルチ監督の『地獄の...
久しぶりの名画座2本立て鑑賞。番組は、ルチオ・フルチ監督の『地獄の門』と『ビヨンド』。
米国の田舎町ダンウィッチ。
ひとりの神父が墓地で首つり自殺をする。
一方、ニューヨーク。
数人の霊能力者が降霊術を行っている。
霊能力者のひとり、メアリー(カトリオーナ・マッコール)が、ダンウィッチでの神父の自殺とそれに続く怪異を霊視するが、あまりのショックのため心肺停止になってしまう。
怪事件を調査している記者のピーター(クリストファー・ジョージ)は、取材をする途中、墓地の中から人間の呻き声を聞きとめる。
それは、早すぎた埋葬のメアリーが棺の中から漏らす声だった・・・
というところからはじまる物語で、H・P・ラヴクラフト『ダンウィッチの怪』にE・A・ポオ『早すぎた埋葬』を混ぜ込んだような感じ。
奇書「エノク写本」によれば、万霊節の夜、地獄の門が決壊するというメアリーの言に従い、ダンウィッチに向かうメアリーとピーター。
しかしながら、ダンウィッチでは奇怪な事件が多発している。
まぁ中盤あたりまでは、ストーリーはギリギリ保っているところですが、見せ場はゴア描写。
復活した自殺神父に睨まれた女性は口から内臓を吐いて死に、
ダンウィッチで過去に犯罪を犯したあんちゃんは誤認によって頭を電気ドリルで貫かれたり、
ダンウィッチに到着したメアリーとピーターは突如襲来する蛆虫の大群の襲われたり、と、まぁヒドイ恐ろしい描写が続きます。
最後は、出た! 復活した死者の大群。
復活死者によって、ピーターは後頭部を握りつぶされて死んでしまい・・・
メアリーと医師ジェリー(カルロ・デ・メイヨ)の手で復活自殺神父を巨大十字架で串刺しにして事態は収束するが、うーむ、ポオもラヴクラフトもゾンビ映画のダシに使われて残念無念なことだろう。
なお、ラヴクラフトの描くクトゥルフの物語は、太古に地球を支配していた異形のもの、もしくは、宇宙的異形の恐怖体であり、死者の復活、ゾンビ映とは無関係なことを付け加えておきます。