劇場公開日 2003年5月24日

「ジョー・カーナハン監督の手腕が光る」NARC ナーク つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ジョー・カーナハン監督の手腕が光る

2024年9月14日
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鑑賞方法:VOD

トム・クルーズが「MI3」の監督に本作の監督であるジョー・カーナハンを抜擢しようとしていた。結局叶わなかったがジョー・カーナハンを起用したくなる気持ちは、この作品を観ればよくわかる。

ブライアン・デ・パルマやソダーバーグのようなカットの中に時折セルジオ・レオーネのような画が挟まる。
どこかで見たことあるカットの連続ではあるが、その混ざり方が絶妙だ。
異国の料理を掛け合わせるフュージョン料理のように、新しい何かに見えてしまうのは素晴らしい。
物語だけではなくて、演出で娯楽性を生み出せる監督は好みだ。監督としてはあまり精力的に活動していないのが残念である。

主演の二人、レイ・リオッタとジェイソン・パトリックの貢献度も高い。
特にレイ・リオッタはヤベー感じがよく出ていて、熱心なだけのいいヤツなのか、頭がおかしくなってるだけなのか分からないバランスは最高。

本作は脚本もジョー・カーナハン。カーナハンは監督としてよりも脚本家としての仕事のほうが多い。
少し捻りのある(起承転結の転が強いタイプ)割と真っ直ぐな物語を書く人で、キャラクターの個を掘り下げるドラマ性は薄い傾向にあるものの、余計なことをほとんどしない堅実さはいい。
メチャクチャ面白いってわけではないところは御愛嬌ということで。

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つとみ