劇場公開日 2003年1月25日

「おじさんだって韓流にハマる」猟奇的な彼女 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0おじさんだって韓流にハマる

2021年5月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

TSUTAYAの店員さんに苦情を言ったことがあるのです
「韓流コーナー、ちょっと面積取り過ぎじゃないですか?」って。

レンタルコーナーの床面積の相当の部分を韓流が占めています。おかげでとばっちりを喰らってお目当ての邦画作品は置いてないわ、チェックしていたフランスの新作が準新作になるのを待っていたら、あっという間に撤去されていて見逃すわ。
韓流優先で、棚が足りないのです(怒)

その度に憎々しい韓流エリアを振り返ると、そこにいつも【猟奇的な彼女】のパッケージがあったんです。

店員さん曰く
「ファンが多くてものすごく借り出されてるんですよ」。
あー、やだやだ。

・・・・・・・・・・・・

【運命】
何年も経って、(道路拡張で)TSUTAYAは閉店し、韓流の件も忘れていた頃、会社で同僚のひとりが、おずおずとこんなことを言うのです
「青い海の伝説」がいいから、騙されたと思って借りてみてよ・・」と。

そこまで言うならとレンタルしました。たとえそれが僕の趣味の物でなくても、わざわざ会社の仲間が彼の心の琴線に触れた事柄を明かしてくれたのなら、僕はその思いに応えたい。友人としてそういうスタンスを守りたいと思っているので。

(この原則で今まで他の社員からもオススメの「三丁目の夕日」全巻とか「ムカデ博士」も観た。お金と時間の喪失は計り知れないがこれも友情のかたちだ)。

・・・・・・・・・・・

【韓流という事件】
で、あたまガーン、やられました。
どこまで韓国のラブストーリーは純情なのよ!
どこまで彼らは素朴なのよ!
そして今どきキスもベッドシーンは一切なしの信じられない清潔さ。

「見た?」
「どこまで見た?」
「良かったよねー」
同僚と僕は感想を言い合うにも、彼と向かい合うだけで泣けてしまって言葉が出てこない始末。
50代と60代のおっさんが手を取って目を赤くしているとか、どんだけ~(笑)

なんと続きもののそのドラマ13巻を、僕は隣街のレンタル店まで通いつめて全巻制覇したのでした。

で、
その「青い海の伝説」のヒロインが、まさかの今作「猟奇的な彼女」のあの子、韓流ラブロマンスのプリンセス、チョン・ジヒョンだったのです。
再会です。

・・・・・・・・・・・・

【古風にして斬新、押しと引きの躍動感】
「猟奇的な彼女」、
原題は“生意気な彼女”というようですね。

うぶで、素朴。
純情でベッドシーン無し。
このセオリーは前作と同じでした。

引き込まれていく各エピソードは、ベタゆえにこちらが照れてしまうほどなんだけど、脚本家はそこでやめてしまわずに、さらに鑑賞者を有り得ない涙と笑いのハッピーエンドの世界まで連れて行ってくれるわけで。

古くさい物語ですよ。でもこれが現代の我々が観ても、どれだけ逆に新鮮で、驚きに満ちた世界かということなのですが、もはや異次元の「未来人」のラブストーリーを見せられている感じなのです。

好きだった彼女のこと、
そして自分の過去の失恋とかも、温かく思い出させてくれる映画です。
タイムカプセルが開いて、若かった頃の自分をいとおしく思い出せる、そんな映画でした。

きりん
活動写真愛好家さんのコメント
2024年8月30日

きりんさん、コメントありがとうございます‼️
きりんさんにあんなコメント頂けるだけで、レビュー書いてて良かったなぁと思います😂これからも宜しくお願いいたします‼️

活動写真愛好家
きりんさんのコメント
2024年1月13日

sow_miya さん
レビュー読ませていただきながら笑ってしまいました。同年代で「うんうん、そうそう!」と、同じ経験やら、同じ心持ちを瞬時にわかり合えてしまえる事ってあるもんですね(笑)
なんかsow_miyaさんとお酒飲んでる気分になりました。
楽しいコメントありがとうございました。

「コメント着信」の通知は、ちゃんと僕のスマホに表示が出ましたのでご心配なく。
今後とも いっぱいお喋りができたらなと思っております。

きりん

きりん
sow_miyaさんのコメント
2024年1月12日

このタイミングでここに記入しても、きりんさんの目に留まらないかもしれませんが、きりんさんのレビュー、いちいちその通りなのですよ。共感しかないです。私もまんまと、ベタにやられてしまいました。

sow_miya
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2023年3月17日

友情とは何か、を考えさせられるレビューでした。
きりんさんのお友達は、きりんさんが大好きだと思います♥

ぷにゃぷにゃ
NOBUさんのコメント
2021年5月14日

おはようございます。
 朝から、照れ臭いNOBUです。
 ”アジアの映画は、文化の底流で僕らに通ずるものがある。それだからこんなに温かくて、痛いのですね。”
 同感ですね。
 先日鑑賞した「ブータン 山の教室」も、”昔の日本人は、この村人たちのようだったのだろうな・・”
 と思いながら、観ていましたから・・。

NOBU