劇場公開日 2003年1月25日

猟奇的な彼女 : 映画評論・批評

2003年1月15日更新

2003年1月25日よりシャンテシネほかにてロードショー

ハリウッド・リメイクに納得の都会派洗練コメディ

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乱暴、凶暴、非常識。タフで ハタ迷惑で突拍子もなくて、でも憎めなくって……。

理屈を超えた女性上位がスクリューボール・コメディの身上であるとはいえ、この“彼女”ってばホント強烈。この理不尽さに対抗できるのは「赤ちゃん教育」(38)のキャサリン・ヘプバーンくらいじゃないだろうか。だから本作のリメイク権をドリームワークスが獲ったと聞いて何の不思議も感じない。……そんな都会的洗練をたたえた上出来のラブコメが「猟奇的な彼女」だ。ま、オゾマシくもストレートな生理的笑いでツカむ開巻10分の時点では、先行きどうなるのかとチト不安にもさせるのだが。

頼りなさと人の良さが全身からにじみ出るチャ・テヒョン。地獄のようにクールで、同情のカケラもなく吐き捨てるタンカも痺れるチャン・ジヒョン。ふたりの奇怪な恋愛劇(?)は軽快かつスピーディに綴られていき、そのぶんエピソードも盛りだくさんだ。夜の動物園でのマヌケな脱走兵との出会いがドラマティックなクライマックスを作りだす「前半戦」、男女の心がいつしか別離へと動き出すときの機微をきわめて冷静に描いて泣かせる「後半戦」と、怒濤の展開でお腹いっぱい。だからそのあとの「延長戦」はいささかやりすぎの感がなくもないのだけれど、この絶妙なオチがなければコメディとして完成しないのも事実であり、エンディングにはまたもや泣かされてしまうのだから文句は言えません。甘美なノスタルジアの中にふたりをつなぎとめる制服姿は「火山高」の1億倍カッコいいぜ。

ミルクマン斉藤

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