「【”少女がくれた聖ユダのペンダント”米軍で暗殺に明け暮れていた男がボディガードとなった優しい少女に”新しい命”を貰い、彼女のために壮絶な戦いを挑む様を描くヒューマンアクションの逸品。】」マイ・ボディガード NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”少女がくれた聖ユダのペンダント”米軍で暗殺に明け暮れていた男がボディガードとなった優しい少女に”新しい命”を貰い、彼女のために壮絶な戦いを挑む様を描くヒューマンアクションの逸品。】
■米軍で対テロ活動で暗殺に明け暮れていたクリーシー(デンゼル・ワシントン)。退役後、笑顔を忘れ酒に溺れる日々を過ごす彼は、旧友レイバーン(クリストファー・ウォーケン)の紹介により、誘拐が多発するメキシコ国境に近いエル・パソの実業家サムエル・ラモス(マーク・アンソニー”に、9歳の少女ルピタ・ラモス(ピタ)(ダコタ・ファニング)のボディガードとして雇われる。
クリーシーは天真爛漫で笑顔が可愛く心優しきピタとの交流のなかで生きる希望を取り戻す。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・これは、多くの方が感じた事だと思うが、前半ではピタを演じた名子役ダコタ・ファニングの可愛さが炸裂している作品である。
水泳で3番にしかなれないピタに、クリーシーが何度もスタートの練習をさせて、見事に一番になるシーン。ピタはクリーシーに飛びつき、クリーシーも初めて満面の笑顔で彼女を抱きかかえるのである。ピタはクリーシーにお礼に”聖ユダのペンダント”を渡し、クリーシーはそれを大切に首に下げ、又ピタは大切な熊のぬいぐるみに、クリーシーと名付けるのである。
・だが、ある日ピタはクリーシーが送って行ったピアノ教室の帰りに、誘拐を生業とする一味と汚職警官に誘拐されてしまう。
そして、身代金引き換えの際に、”裏切り者”が出てピタは帰って来ない。クリーシー自身も銃を浴びるが、レイバーンにより助けられ回復する。
■哀しく恐ろしいのは、クリーシーが苛烈な捜査をする中で、ピタの父親サムエルが、親から引き継いだ借金返済のために誘拐に加わっていた事が明らかになるシーンであろう。娘を心配する母リサ(ラダ・ミッチェル)は、”夫を殺して。”と言いその場を去り、クリーシーは自らが持っていた銃弾を一発だけ彼に渡し、”俺は来なかったが、お前は出来るよな。”と言い去り、その向こうで乾いた銃声が鳴るシーンであろう。
・そこからの、クレイシーの誘拐犯の指示者を炙り出す過程は凄まじい。ロケットランチャーを撃ち、容赦なく誘拐に関わった者から情報を引き出し、殺していく。正に復讐鬼である。
・だが、指示者であるダニエル・サンチェス(ロベルト・ソサ)を、女性記者のマリアナ(レイチェル・ティコティン)の協力の元、到頭炙り出し、彼の弟アウレリオ・サンチェス(ジェロ・カミーロ)を捉え、弟とピタとの”命と命の交換”条件を飲むのである。
<橋上で、クレイシーはピタを助け、強く抱きしめてから母リサのもとへ走らせる。銃弾を浴びていたクレーシーは、首から下げていた”聖ユダのペンダント”に手をやり、ペンダントが切れた瞬間に彼も又、天に召されるのである。
今作は、米軍で暗殺に明け暮れていた男がボディガードとなった優しい少女に”新しい命”を貰い、彼女のために壮絶な反撃を行う様を描くヒューマンアクションの逸品なのである。>