G.I.ジェーンのレビュー・感想・評価
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ねじれた憧れ
何年ぶりに見ただろうか。
私ってドMだなぁ、と再確認。
追い込まれ、痛めつけられる訓練兵に自分を重ねて快感を覚えてしまう。
ま、実際にこんなとこ行ったら真っ先に鐘鳴らすけどね、もちろん。
「男と同じことがこなせる女」っていう女性の権利主張は若干古い気はするけど、この映画のデミ・ムーアはやっぱりかっこいい。
あの腹筋(逆さまにぶら下がってやるやつね)には憧れたわ~。
あの筋肉が欲しい。
にしても、米軍の訓練って過酷な上に(特殊部隊だから尚更だけど)お金かけてるよなぁ。
軍人なんて必要ない世界になればいいのに、と思うのに、軍人ってかっこいいよなぁ、なぜか。
あ~気持ち良かった。
この連帯感からくる快感って絶対男子のものだよね。
女子(だらけの世界では)には絶対できない芸当。
だからこそ、余計に憧れてしまう。
新しい道を切り開く孤独な戦い
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 70
士官学校とか軍隊のエリートコースに女性が入ることには強い抵抗や虐めが内外にあったことは有名な話で、過去にも新聞沙汰にもなって大きく取り上げられている。大リーグに初めて黒人選手のジャッキー・ロビンソンが入った時もすごい抵抗があり、差別だけでなく脅迫まであったようだ。白人の中に有色人種が入るのと同様に、男の中に女が初めて入る、何でもそのような初めての経験があると、相当な抵抗があるのは容易に想像ができる。特殊部隊に本当に女性がいたのかどうか知らないが、そうじゃなくてもNavy SEALsは鍛え上げられた男にとってさえも極めて厳しいことで有名である。四面楚歌の中で女性の挑戦はただの挑戦では済むはずがなく、色々な意味でそれはそれは厳しいものになる。最初からそのような厳しさと抵抗がある中で、それでも初めての道を切り開こうと孤軍奮闘する彼女の姿がよく描かれていて楽しめました。
デミ・ムーアが肉体改造を経て全身筋肉質になり、映画の中では自ら髪を刈って丸坊主になって訓練と暴力とで顔まで傷だらけ痣だらけになる。恋愛映画のヒロインまでやる女優がここまで役にいれこんで、それでこの年のラジー賞最低女優賞は可哀そうだ。本来アクション女優でもない彼女がここまでしたことに対して、もしかするとみすぼらしいとか痛々しいという印象が出たのかもしれない。だけどまさに体当たりで役に挑んでいて、私はそんな彼女の演技に対する真摯な態度は評価するべきではないかと考えている。彼女もまた演技の新しい道を切り開こうと挑戦したのだろう。
余談
本物のNavy SEALsの入隊試験に関して、ディスカバリー・チャンネルのドキュメンタリーでDVD数巻にわたって特集されている。Hell Weekと呼ばれる志願者を振るい落とすその厳しい内容の一部が理解できて興味深い。
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