「国破れて山河あり」シン・レッド・ライン 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
国破れて山河あり
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この映画、人間の視点・時間軸では描かれていない。
じゃあ何の視点・時間軸かと問われても正解はない。
敢えて言えば神の視点・時間軸だろうか。(あまりにもベタ過ぎるので書いていて恥ずかしいのだが、分かりやすい例として挙げておく)
生けとし生きるモノ全てを並列に描いている。
苛烈なガナルカナル島の戦闘も、美しき島の自然も、ラストシーンで海に漂うヤシの実も。
国破れて山河あり。
人間同士が壮絶に闘い殺しあっても、想像を絶する苦難を伴って死んでいったとしても、厳然と存在し続ける山河。太古の昔から、そしてこれからも。
ラストシーンのヤシの実は新しき命の誕生の象徴なのか。人間の苦難にかかわりなくこの世界は続いていくということなのか。
これを希望とみるか虚無とみるかは観客の側に委ねられている。
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