ミリオンダラー・ベイビーのレビュー・感想・評価
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何度見ても考えさせられ、涙がとまらない。
アカデミー/作品・監督・主演女優・助演男優受賞。
そら獲るわ!
もう13年も経つけど、ほんまにいい映画。
あらためて観直してみて、また号泣。
結局とても悲しいんだけど、それだけじゃない。
不遇な中でも自分を貫いて精一杯生きた主人公の生き様が胸を打ち、またその最期も、彼女らしくて…。
・・・ 田舎育ちのマギーは13才からウェイトレスをして家計を支えながら、ボクサーになる夢を持ち続けてきた。
ロス郊外の寂れたボクシングジムの扉を叩いたのが31の時。半年分のジム代を先払いして強引にイーストウッドに弟子入り。
フランキー(イーストウッド)は女はよそへ行け、と最初は無視し相手にしなかったのに、彼女の真剣さに根負けしてついにトレーにングが始まる。そしてボクシングの才能が花開く。努力が実を結ぶ。
石頭な偏屈オーナーとの間を取り持つモーガン・フリーマンがまたええ役で。あったかくて。
とにかく惨めで貧乏な人生から抜け出したかった、というよりも、自分の居場所を、マギー(ヒラリー・スワンク)は探していたのですね。私はそう思う。
愛してくれた、唯一の理解者だった父親を亡くし、母親は変わってしまった。家族たちも、身勝手な事ばかり言う。
ファイトマネーでプレゼントした家を、迷惑だと母親に言われた時のマギーの顔…
(家なんかじゃないけど、プレゼントを親に迷惑だと言われた時の気持ち、私も経験あるからその辛い気持ちすごくわかった)
子供の頃に愛犬と別れた理由…
なぜ家族があんなにも冷酷なのか…
でも彼女は腐ったり道を外れたりしないんですよ。心の根っこが清らかなんですね。
そんな健気な不遇なマギーが不憫でたまらなく、泣けるんだけど、その悲しみを振り払うようにボクシングに打ち込み、勝って、勝って、少しずつのし上がっていく様子はなんともたくましく、勇ましく。
きっと自分を理解し認めてくれたボスを喜ばせたい一心だったのだと思う。
ネタバレになるのであまりここでは書きませんが、夢に見た初のタイトル戦でマギーに悲劇が起こります。
フィクションですが、もし自分の身に、事故でこんな事が起こったら?と考えてしまう。
生きるっていうのは、ただ心臓が動いているという事なのか?
誇り高いマギーにはああして生き続けることが拷問に等しく、耐えられず、他の誰にも頼めない【あること】を一番愛する人に望みます。
頼まれたイーストウッドの苦悩する姿が泣けますね。
残酷なお願い事ですね。究極です。
初めてこの作品を映画館で観たときは、もうこの展開がショックでショックで、頭をガツーンと叩かれたかのような衝撃で、場内が明るくなってもしばらく立てなかった。
でも、大好きな映画。
悲しすぎるけど、生きるって大変やけど、これもありか… と考えさせられる。
マギーが愛しい。
フランキーが優しい。
フリーマンがあたたかい。
抑え気味の音楽もいい。ピアノが癒される。
ぜひ、観てください。
予想外だけども、驚かず
もっと普通にエンタテイメント的なサクセスストーリーかと思いきや、思いっきり重ためな人生訓映画でした。。。
まぁ、イーストウッド作品だもんなー。と、ある種の納得感。
努力しても、正しく生きようとしても、少しずつズレてしまうことで、思ったように生きれないんだなと。
そんな人生なんて遣る瀬無い気持ちになるけど、みんなそのようなことを思いながら、自分のことを許し、肯定しながら生きるのでしょう。
マギーは頑固だから、許せないし肯定出来なかったのでしょう。
人生において大切なのは決断
尊厳死についての議論がなされる映画。
彼女は最後まで戦った。彼女に生きた。彼女にとっての挑戦であり夢がどういう形に転ぼうが彼女は幸せだった。
大事なのは決断できたか。
バッドエンドは好きじゃないが、この映画のあと味はレモンパイを彷彿させるようなサッパリとした味だった。
“モ・クシュラ”
成功物語が悲しい結末
女子ボクサーが、あれよあれよと次々とタイトル奪取し、ヒールのルール違反のチャンピオンと対戦。
しかし、優勢に進めるも反則され、いすに首を直撃する倒れ方をし、全身まひになり、生きる希望を無くし、トレーナー(クリント・イースドウッド)は責任を感じ、彼女を楽にしてあげてしまう。
反則ヤローはどうなったんや!ざけんなよ‼️
と思って、悲し気持ちになる。
削ぎ落とした装飾
クリント・イーストウッドの作品はどれも装飾が少なくストーリーと演技だけを観させる舞台演劇のよう。
ドッグヴィルは敢えての演劇のようなセッティングでの作品だけど、イーストウッドの作品は映画だから派手に行っときゃいいんだよ、って感じがない。もうちょいあってもいいんじゃないかって言いたくなるほど。
だから、ヒラリー・スワンクとモーガン・フリーマンの演技が光る。イーストウッドの演技はどうも好かないのだけど、あんな人いるよねって思っちゃう。
最後の方で、半身不随になったヒラリー・スワンクのところへロクデナシ家族がやってきて、書類にサインさせようとするシーンが心に残った。
母親に自分が一生懸命頑張ったんだけど、こんな体になってしまったことを、それでもその頑張りを褒めて欲しかったのか母親にすがる。母親は『…けど、負けは負けだろ』って言う。ひどい一言のようにも聞こえたが、それだけじゃない何かを感じて頭から離れない。
ボクシング
前情報でストーリーは何と無く知っていたのですが
それでも後半からの流れは衝撃だった
ラストの教会でのシーンは涙が止まらない
見ているこっちまで胸をえぐられるようだった
親子のようなそれ以上の関係の2人
どちらの立場にたっても悲しすぎる
誰が見ても良い意味でも悪い意味でも忘れられない作品になるのは間違いないと思います
エンドロール中は呆然としてしまいました
やっぱイーストウッドは凄いなあ
そんなには残らなかった
何と言ってもヒラリースワンクの演技がすごい。
それを見るだけでも十分価値がある。
この映画の結局のメインポイントは典型的な病気弱っていちゃう系なのだが、久々にベタな感動系を見るのも悪くない。
イーストウッドが最後スワンクに殺してくれるよう頼まれ、葛藤するところは既視感を感じながらも感動的であった。
このレビューを投稿する前に人のレビューを見たりしたんだけれど、その中に死に対する願望は通常一時的な精神の衰弱や混乱によるものであり、カウンセリングを通してその願望をなくすことができると書いてあった。カウンセリングに通うとなったらお金がまたかかるし、ポジティブにものを考えられるようになるには相当のエネルギーが必要になってくる。そんなにしてまで生きるほどこの世界は素晴らしいものか。この映画の場合、主人公の彼女は自分のやりたいことを追求し、精いっぱいやり遂げ、これ以上の幸せを感じられるかどうか心配するレベルに幸せな状態にあった。私は「死の自由」が認められるべきであると思う。人がどう死ぬかそれを決められる時には決められた方がいい。
とはいえ、実際のアメリカでは患者がたとえ脳性麻痺等で体を動かせない状態にあっても意思を伝えることができればその意思に医師は従い治療をやめなければならないというルールがこの映画が公開されていた当時にすでにあったみたいだから、この映画の意図するところがイマイチ理解できない。
まぁいい映画であることは間違い無いだろう。低予算×撮影日37日という状況でもこんな大ヒット作を作ってしまうクリント イーストウッド恐るべし。次はジャージーボーイズを観たい。
一瞬の花火のようなヒラリー・スワンク
前半は一生懸命ボクシングに打ち込むヒラリー・スワンクが確かに輝いていた。
彼女の純粋さ、ひた向きさに周囲の人々も突き動かされていく。
そして、深まる師弟関係。まるで親子のような絆。
そんな二人だからこそ、最後にあの選択をしたのだろうと思います。
主人公にとって、人生とは輝くもので有りたかったのだろうと…。
そして、それを理解しているクリント・イーストウッド。
心に右ストレートを打たれた様な映画でした。
ただのボクサー映画ではない
この映画の構造を考えると、完全に2つに分けられると思います。前半と後半で、ムードもテーマも全く異なる。もちろん一貫している部分もありますが、そういう意味では本当に多くを訴えかけようとする映画だなと思いました。
マギーがフランキーの指導で腕を上げていくのが最高でした。相手を一瞬でKOしてしまうシーンなんか、正直スカッとしましたよね。何があっても諦めない、そんな姿が描かれています。
マギーとフランキーの出会いは本当に運命的でした。マギーは家族のことをずっと想っていたけれど、その想いは結局一方通行だった、それはフランキーの娘への想いと同じです。フランキーが本当に途中からマギーのことが娘のように思えてきて、そのように愛す姿が描かれていましたが、本当にその点はこの映画の魅力的なところの1つです。
徐々に心を開いていくフランキーが、愛らしいというか、人間らしくてよかったです。
イーストウッド自身にもたくさんの娘がいるので、彼女らもしくはその中の誰かのことを想ってそんな脚本を書いたりしたのかなどと想像したりしました。
そして、マギーは事故に遭うわけですが、、まぁとてもとても、、最後まで悲しい物語です。
ああいう時って、主人公は必死に強く生きようとしたりするのですが、この映画の場合はあっさりと自らの命を絶とうとしてしまいます。でもそこから、マギーの人生が見えてくるんですよね、、。
「モ・クシュラ」の意味を聞いたマギーは本当に嬉しそうでしたが、間際のあの笑顔が、悲しくも印象に残りました。
またフランキーが神父に、自分はマギーに対してどうするべきか問うシーンがありましたが、そんなところから安楽死の是非を問いかけてもいるような気がしました。
イーストウッドが監督と主演をしているこの作品。彼のメッセージが色んなところに表れている作品だと思います。
光と影
光と影のコントラストが、物語とリンクしている気がした。
いつものクリント監督作品とは少し違う、説明し過ぎない映画の印象を、本作品には受けた。
たった一時であっても、どうしてもやりたいことを、全力でやり遂げた彼女(主人公)は、後悔なく一生分を生きたように思う。
彼女の夢に、彼女と一緒になって戦ってくれた恩師二人との出会いだって、とても幸運な巡り合わせだと思う。
人生なんてこんなもの。と諦めるのは、間違いじゃない(私自身、直ぐに諦める性格ですし。)けれど、周りがどんなに反対しようと、自分のやりたいことに一心不乱に向かって、挑み戦い続けた彼女の姿は眩しい程に輝いてたし、何よりも『生きてる!』って躍動感を、強烈に感じる。
刹那的な思考かもしれないけれど、今やりたいことは、今やらなきゃ、二度とトライするチャンスは、やってこない。
いつ何が起きて、誰がどうなるかなんて、誰にも分からないのだから。
実直に生きている人の姿は、なんて清々しいのでしょう。
光輝いていたリング上の時間は一瞬だとしても、主人公の人生は、とても幸せな一生のように思う。
主人公の要望を聞き入れたトレーナーも、あのあと直ぐに主人公を追ったんだと(個人的な見解)思う。(注射器が二本あった事から、主人公の分と、自分の分の注射器。)
いつか話したカフェの中で、第二の夢について語り合ったあの場所で、主人公との再会を待っているかのような、窓ガラス越しにトレーナーの姿を映して終わるラストも、ロマンたっぷりで大好き。
これはすごい!
ルック ◯
シナリオ ◯
アクター◯
デプス◯
ラスト◯
オススメ ◯
やっぱり、ボクサー系の映画は面白い。
ラストは泣いちゃいました。
これはオススメできます。
一生懸命生きている方に見ていただきたいです。
役者さんたちの演技力に驚いた。
またもう一度見たい。
たまたまテレビでやってて見たんだけど、すごかったね!まさかこんないい映画に出会えたのはラッキーだった(笑)
アカデミー賞4部門とってるけど、アカデミー取りにくい作品だったんだなー、けど取った。すごい。
後半あたりは暗く、考えさせられたな、監督の心情を考えて見たら辛いな。
ラストだっていろんな考えがたくさん出た。何が正しく、これで良かったのかと。
全てが良い
男の様な女性ボクサーの娘役マギーことヒラリースワンク。
不器用な父親、クリントイーストウッド。
ナレーションも含め全てを受け止める母親の様な中立的存在モーガンフリーマン。
この三重奏の演技、脚本、音楽、ファイトシーン、撮影方法の全てが素晴らしい。
かつ、本作の要旨は永遠に人が避けられない死。
この作品の序盤で誰が尊厳死について考える映画だと思っただろう。
誰もがボクシングがテーマの映画だと思って観はじめる。
が、想定もつかないテーマを突然、後半で観客に投げかけてくる。
しかも重い雰囲気たっぷりの撮り方で。
で、あぁボクシングは前戯だったのかと気づく。笑
私はクリントイーストウッド監督作品が好き。
何故って、観た気がするから。
映画代、1800円分の重厚感充分。
人の幸せとは、生きるとは、人生の意味を語りかけてくる。
最後の病院のシーンは胸がえぐられる様な悲しみと安堵を感じずにいられない。
それまでの2人のやり取りが親子みたいで、たまらない。
この作品は、相手を選ばず大人なら、どの人にも観てほしい作品です。
あぁ生きてるうちに一度で良いから会ってみたいなぁクリントイーストウッド監督…
見方によって正反対の結末
客観的事実としては、マギーは頑張りに反し父以外の家族からも愛を受けられず金づる扱いされ、フランキーはファイターが自身を守れる試合をさせられない悪夢を繰り返す。2人で尊厳死を選ぶ真っ暗な展開。
主観的事実としては、マギーはボクサーとして無傷で成功する事以上に、飢えていた父娘の愛を選び、最期には手にできた。フランキーもマギーをファイターとして育てながら、マギーを娘の代わりとして父になれ、モーガンフリーマンの一件以来トレーナーとして及び腰な気持ちも忘れられた。レモンパイが本物の味になるにつれ、モ・クシュラを2人とも得た。
傍観者と当事者で得る印象が全く違い、両面のかけ橋の役目をモーガンフリーマンがしている。モーガンフリーマンは経験も踏まえて、常に最良の道しるべをマギーに示すが、マギーが主観的に選択する描写が印象的だった。現実的な描き方をできるからこそ、見方によって、残酷とも幸せとも代償が大きすぎるとも取れる作り方がクリントイーストウッド監督のすごさなのだなと感じた。
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