ミリオンダラー・ベイビーのレビュー・感想・評価
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難しい内容だが、心に残る映画だった
映画を見終わった後も、マギーのボクシングをやっているときのまっすぐで生き生きとした眼が忘れられない。
ただの師弟愛を描いた映画とは違う、
人間の情愛と非情さをも描いた作品であった。
この映画の主演かつ監督であるクリント・イーストウッドと助演男優賞をとったモーガン・フリーマンの二人の演技を見られることもこの映画の見どころである。
考えさせられる映画
どう生きて、どう死ぬのか。
生きるという事の意味とは。自分の人生はどうだろう。
色々と考えさせられる映画だった。
イーストウッド作品はテーマが真正面からしっかりと描かれていて分かりやすいし厚みが出てるんだけど、それが時に説明臭く感じてしまう時はある。
今回もそんな印象が少々。
ヒラリー・スワンクの演技は上手いというよりはよくハマったという感じ。イーストウッドとモーガン・フリーマンはいつも通りの良くも悪くも安定した演技だが、こういう、過去に色々あった年寄りの役はがっちりハマるな。
死ぬことは生きること…
生きるとは、死ぬとはを語りかける作品だと思いました。
ボクシングで稼いで実家の母を養うマギー。最後は寝たきりで生きてる様に死んでしまう。クリント演じるトレーナーのフランキーは担当したボクサーが体が不自由になるのに責任を感じ、生きながらの死の苦しみを感じている。生きる意味とは何なのか。そんな苦しみを感じるよしもない怠け者の母やひたむきなデンジャーが対照的に語りかける要素になってます。
ボクシング映画
タイトルだけ見るとボクシング映画とは誰も思わないのでは?ストーリー的にはグリードに似ているが(事故からの後のくだりは別)こちらが先だから グリードが真似たのかもね、クリントイーストウッドの作品は良く見たがストーリー展開が良いと思う、次に起きる事が予測できなかったから面白さが倍増する。
削ぎ落とした装飾
クリント・イーストウッドの作品はどれも装飾が少なくストーリーと演技だけを観させる舞台演劇のよう。
ドッグヴィルは敢えての演劇のようなセッティングでの作品だけど、イーストウッドの作品は映画だから派手に行っときゃいいんだよ、って感じがない。もうちょいあってもいいんじゃないかって言いたくなるほど。
だから、ヒラリー・スワンクとモーガン・フリーマンの演技が光る。イーストウッドの演技はどうも好かないのだけど、あんな人いるよねって思っちゃう。
最後の方で、半身不随になったヒラリー・スワンクのところへロクデナシ家族がやってきて、書類にサインさせようとするシーンが心に残った。
母親に自分が一生懸命頑張ったんだけど、こんな体になってしまったことを、それでもその頑張りを褒めて欲しかったのか母親にすがる。母親は『…けど、負けは負けだろ』って言う。ひどい一言のようにも聞こえたが、それだけじゃない何かを感じて頭から離れない。
ボクシング
前情報でストーリーは何と無く知っていたのですが
それでも後半からの流れは衝撃だった
ラストの教会でのシーンは涙が止まらない
見ているこっちまで胸をえぐられるようだった
親子のようなそれ以上の関係の2人
どちらの立場にたっても悲しすぎる
誰が見ても良い意味でも悪い意味でも忘れられない作品になるのは間違いないと思います
エンドロール中は呆然としてしまいました
やっぱイーストウッドは凄いなあ
モーガンフリーマンが良い
宗教観などにより見方が全く変わるであろう映画。賛否別れるのも非常に分かる。ただ観た後に心に深く残るだろう。私はそういう映画が「いい映画」なのだと思う。ラストを締めくくるモーガンフリーマンの語りが忘れられない。
ハッピーエンドだけが映画じゃないと言わしめる最たる映画。
ハッピーエンドだけが映画じゃないと言わしめる最たる映画。
終盤の負のスパイラルが止まらない感じが他にないです。
驚きの展開に・・
イーストウッド監督・主演の作品。題名から女性版ロッキーのような映画かと勝手に思っていたが、後半に驚きの展開からとても重いテーマのヒューマンドラマとなり、人の死について深く考えさせられた。人間はこの世に生を受け、悩みながら人生を歩み、必ず死を迎える。自分の思い通りの生き方が出来る人はまずいない。彼女も家族の愛には恵まれないが、ボクシングのトレーナーとの出合いがその後の生き方を大きく変えた。うまくは言えないが、この作品のテーマは命とか生き方についてで、我々に重い問題を提起している・・2004年のアメリカ映画。週刊文春「シネマチャート」洋画部門の第1位。
そんなには残らなかった
何と言ってもヒラリースワンクの演技がすごい。
それを見るだけでも十分価値がある。
この映画の結局のメインポイントは典型的な病気弱っていちゃう系なのだが、久々にベタな感動系を見るのも悪くない。
イーストウッドが最後スワンクに殺してくれるよう頼まれ、葛藤するところは既視感を感じながらも感動的であった。
このレビューを投稿する前に人のレビューを見たりしたんだけれど、その中に死に対する願望は通常一時的な精神の衰弱や混乱によるものであり、カウンセリングを通してその願望をなくすことができると書いてあった。カウンセリングに通うとなったらお金がまたかかるし、ポジティブにものを考えられるようになるには相当のエネルギーが必要になってくる。そんなにしてまで生きるほどこの世界は素晴らしいものか。この映画の場合、主人公の彼女は自分のやりたいことを追求し、精いっぱいやり遂げ、これ以上の幸せを感じられるかどうか心配するレベルに幸せな状態にあった。私は「死の自由」が認められるべきであると思う。人がどう死ぬかそれを決められる時には決められた方がいい。
とはいえ、実際のアメリカでは患者がたとえ脳性麻痺等で体を動かせない状態にあっても意思を伝えることができればその意思に医師は従い治療をやめなければならないというルールがこの映画が公開されていた当時にすでにあったみたいだから、この映画の意図するところがイマイチ理解できない。
まぁいい映画であることは間違い無いだろう。低予算×撮影日37日という状況でもこんな大ヒット作を作ってしまうクリント イーストウッド恐るべし。次はジャージーボーイズを観たい。
●モ・クシュラ。
こういう作品なのね。ぜんぜん想像と違ったわ。ボクシング通じて家族愛深まる、みたいな想像を勝手にしてた。このタイトルはないな。後半が主題なんだけど重すぎるので、タイトルと前半で惹きつけるブラフか。
遅咲きの女性ボクサーと頑固者トレーナー。
ふたりとも家族の愛には恵まれない。
貧乏だけど、ボクシングにかけるマギー。
そのひた向きさに心が洗われる。
頂点に駆け上がるその過程。観客は感情移入したまま、後半に突入する。前後半の切り替わりシーンには思わず目を背けた。
ふたりでレモンパイ食べるシーンが好きだ。「このまま死んでもいい」イーストウッドとフリーマンの掛け合いも微笑ましい。ジェイ・バルチェルのバカっぽさも救いだ。こうしたアクセントがありながらも、全体イメージは黒とグレーの背景からか、重く暗い。
「モ・クシュラ」あなたは私のすべて。最後の最後に、彼女に語りかけるイーストウッドは愛の告白をしているようでステキだ。
一瞬の花火のようなヒラリー・スワンク
前半は一生懸命ボクシングに打ち込むヒラリー・スワンクが確かに輝いていた。
彼女の純粋さ、ひた向きさに周囲の人々も突き動かされていく。
そして、深まる師弟関係。まるで親子のような絆。
そんな二人だからこそ、最後にあの選択をしたのだろうと思います。
主人公にとって、人生とは輝くもので有りたかったのだろうと…。
そして、それを理解しているクリント・イーストウッド。
心に右ストレートを打たれた様な映画でした。
ただのボクサー映画ではない
この映画の構造を考えると、完全に2つに分けられると思います。前半と後半で、ムードもテーマも全く異なる。もちろん一貫している部分もありますが、そういう意味では本当に多くを訴えかけようとする映画だなと思いました。
マギーがフランキーの指導で腕を上げていくのが最高でした。相手を一瞬でKOしてしまうシーンなんか、正直スカッとしましたよね。何があっても諦めない、そんな姿が描かれています。
マギーとフランキーの出会いは本当に運命的でした。マギーは家族のことをずっと想っていたけれど、その想いは結局一方通行だった、それはフランキーの娘への想いと同じです。フランキーが本当に途中からマギーのことが娘のように思えてきて、そのように愛す姿が描かれていましたが、本当にその点はこの映画の魅力的なところの1つです。
徐々に心を開いていくフランキーが、愛らしいというか、人間らしくてよかったです。
イーストウッド自身にもたくさんの娘がいるので、彼女らもしくはその中の誰かのことを想ってそんな脚本を書いたりしたのかなどと想像したりしました。
そして、マギーは事故に遭うわけですが、、まぁとてもとても、、最後まで悲しい物語です。
ああいう時って、主人公は必死に強く生きようとしたりするのですが、この映画の場合はあっさりと自らの命を絶とうとしてしまいます。でもそこから、マギーの人生が見えてくるんですよね、、。
「モ・クシュラ」の意味を聞いたマギーは本当に嬉しそうでしたが、間際のあの笑顔が、悲しくも印象に残りました。
またフランキーが神父に、自分はマギーに対してどうするべきか問うシーンがありましたが、そんなところから安楽死の是非を問いかけてもいるような気がしました。
イーストウッドが監督と主演をしているこの作品。彼のメッセージが色んなところに表れている作品だと思います。
光と影
光と影のコントラストが、物語とリンクしている気がした。
いつものクリント監督作品とは少し違う、説明し過ぎない映画の印象を、本作品には受けた。
たった一時であっても、どうしてもやりたいことを、全力でやり遂げた彼女(主人公)は、後悔なく一生分を生きたように思う。
彼女の夢に、彼女と一緒になって戦ってくれた恩師二人との出会いだって、とても幸運な巡り合わせだと思う。
人生なんてこんなもの。と諦めるのは、間違いじゃない(私自身、直ぐに諦める性格ですし。)けれど、周りがどんなに反対しようと、自分のやりたいことに一心不乱に向かって、挑み戦い続けた彼女の姿は眩しい程に輝いてたし、何よりも『生きてる!』って躍動感を、強烈に感じる。
刹那的な思考かもしれないけれど、今やりたいことは、今やらなきゃ、二度とトライするチャンスは、やってこない。
いつ何が起きて、誰がどうなるかなんて、誰にも分からないのだから。
実直に生きている人の姿は、なんて清々しいのでしょう。
光輝いていたリング上の時間は一瞬だとしても、主人公の人生は、とても幸せな一生のように思う。
主人公の要望を聞き入れたトレーナーも、あのあと直ぐに主人公を追ったんだと(個人的な見解)思う。(注射器が二本あった事から、主人公の分と、自分の分の注射器。)
いつか話したカフェの中で、第二の夢について語り合ったあの場所で、主人公との再会を待っているかのような、窓ガラス越しにトレーナーの姿を映して終わるラストも、ロマンたっぷりで大好き。
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