「ヒネリの利いたネイション・ミステリ」ザ・メキシカン かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒネリの利いたネイション・ミステリ
クリックして本文を読む
注意散漫で仕事のうまくいかないマフィアの末端構成員の主人公・ジェリーは、汚名返上のためにメキシコにわたりある銃を手に入れてこいと幹部に命じられる。
現地で手渡されたのは、非常に美しいアンティークの逸品。
だが、その銃の生まれた経緯には血塗られた愛と欲望の物語があった。
関係のうまくいかない恋人サマンサと、それを狙う黒人と白人の殺し屋、アメリカ人にはこの銃の価値が分からないと謎めいた言葉でジェリーを惑わし、邪魔をする現地の男たち。
そして組織のパイプ役兼友人も現地入りし、刑務所にいたボスも出獄、騙し騙されの物語は錯綜し加速してゆく。
銃に込められた悲しい恋とは、そしてクライマックスに誰がその銃を取るのか。
アクションよりもコメディ寄りのスリラーです
。
期待せずに観ましたが、キャストは言わずもがなで演出もリズム感十分、序盤のダブつき以外は退屈せずに楽しめました。
サマンサと同道するマフィアの殺し屋の愛らしさ、二人がお互いの愛を探すロードムービーパートがもっとも興味深く、そしてこの映画を引き締めるとある問いかけとその答えを、道半ばで彼から託されます。
中米の壮大な自然と乾いた空気を楽しめる、ブラッド・ピットとジュリア・ロバーツ全盛期の佳作です。
コメントする