メトロポリスのレビュー・感想・評価
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日本アニメでは死に絶えた様式美の最後の残夢
シナリオについては特に言及しない。描いているテーマは別段独自性があるわけでもないし、ややご都合主義的に尺を詰めたように感じるところもある。真摯で普遍的でシナリオは、褒めるほどでもなければ貶すほどのものでもない。
そんなものはどうでもいい。どうでもいいのだ。
見よ、圧倒的な、素晴らしく、凄まじい才気に彩られた未来世界を!背景の美術センスはまさし筆舌に尽くしがたく、人々の活気に溢れる上層の街並み、スラムのゾワゾワしてしまいそうな多重居住スペース、小さなバー、巨大な空間を見渡せる裏道、下水道の果ての巨大な空孔部。わずか数秒しか使われないカットひとつひとつが鳥肌ものの美しさを秘めている。
それはピクシブあたりによく転がっている、表層だけをきれいに飾り付けた、既視感に塗れた偽物の架空の情景とは全くもって違う。全てに、そのモノと空間がそれまで経てきた時間や、匂いや、温度すらも感じられるような説得力に溢れている。
最近ちやほやされている新海誠の写真にパキパキのCGを盛ったような無臭の色彩の背景が「現実にありそうなのに、決してない作り物の世界」なのだとしたら、本作はその対極の「現実には決してありえないのに、まるで本当に存在するかのような世界」だと言える。
これは現在の日本のアニメーションがセル画とともに忘れてしまったセンスであり、技術だ。世界が見惚れたクールジャパンの最後の残夢こそがメトロポリスなのだろう。
・ティマとても可愛い
・小物のデザインにも一切手抜きがない。食べ物も美味そうだ
SF世界に絶妙に練りこまれたレトロ感も馴染んでいる。伝声管ステキ。20世紀初頭のような労働者の服も。
・ティマとケンイチのぶかぶかの労働者風の服が可愛い
・悲劇的な最後がなければ本作は締まらないだろう
最後までどこか助かって欲しいと思いながらも、こう帰結することはわかっていたしどこか望んでいた
・しかし原作とまったく違うやんコレ
映像、音楽、キャラクター
日本が描くブレードランナー
素晴らしい。
レトロヒューチャーな世界観にハードなSF、そこに鳴り響くジャズ。人間の存在を問うテーマ。このアンバランスな素材が見事にバランスを保ち、画面内を心地よく支配している。
お話自体はさほど新しさや奇を衒ったものは感じず、むしろ世界観を形作る設定や背景、ビジュアル面での描き方に斬新さや挑戦が見られた。テーマについてではなくともブレードランナーに通ずる点であろう。
お話は、テクノロジーが進化していずれそれを生み出した人間そのものが必要なくなる未来が訪れるという決してハッピーな終わり方ではない何か不穏な空気を残したラストも最高である。
ラストで、選ばれし存在であったロボットの残骸を他のロボットが持ちよって集まり、選ばれし存在の名前を高らかに連呼する。その光景を涙を浮かべながら眺める人間の主人公。物語を締めくくる感動のエンドであると同時に、やはりなにか暗い未来を暗示しているような苦い後味もしなくもない。
下手で鼻持ちならない教訓めいたことばかりでないのもこの作品の大きな魅力の内だと思う。
設定や人物説明などもう少し飲み込みやすいように展開や話運びを設置して欲しかったが、総じてかなり楽しめたのも事実。
1度で全てが理解と納得が出来る作りでは全然ないので、後複数回見ようと思った。
まぁまぁ
映像はすごく綺麗。
手塚治虫の漫画の感じがよく表現されていて見ていて楽しかった。
内容はありきたりに感じてしまった。
ケンタロウくんの人物像をもっと深堀って欲しかった感も。
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