劇場公開日 2001年5月26日

メトロポリス : 映画評論・批評

2001年5月15日更新

2001年5月26日よりニュー東宝シネマほか全国東宝系にてロードショー

りんたろう×大友克洋により甦る、新生・手塚アニメ

舞台は、空想科学都市「メトロポリス」。マッド・サンエンティストが生み出した人造人間と、世界制覇を目論むレッド公とその一味。そこに探偵ヒゲオヤジと甥のケンイチくんが巻き込まれ……てな筋立てに、手塚治虫独特の柔らかくもバネのある、軽い描線で造形されたキャラクター。全編を流れるのはディキシーランド・ジャズ……。これはもう、レトロ・フューチャー、懐かしの未来というやつで、なるほど、手塚先生らしい優雅な活劇アニメと思いきや、ほのぼのキャラの背後には、最新デジタル画像のハイパーリアルで、今どきのコテコテ近未来都市のイメージ全開。このバランス、どうかしら?

原作には最後に「科学の発達が人間を滅ぼす」なんてオチの教訓もあったけど、アニメーション・テクノロジーの進化が、手塚漫画の「人間」を滅ぼしてるというか、吹っ飛ばしてますね。でも50年前の原作の楽天性より、大友克洋脚本らしい黙示録的な“暗さ”の方が、まだリアルなんだなあ。しかも「21世紀のテクノロジーの進化は地上に“人間”を必要としなくなるだろう」という、例のビル・ジョイの予言を思わせる結末。確かに未来は、われわれ人間を必要としないんだろうなって気分になります。

(日下部行洋)

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