劇場公開日 2004年3月27日

「希望と絶望の応酬」殺人の追憶 ezioさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 希望と絶望の応酬

2025年8月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

ミステリーとして非常に良くできた作品
元となった事件に合わせた時代設定は拷問と言っていいほどの腐敗した行き過ぎた尋問や、技術的な制約によって行き詰まる捜査は映画として引き込まれる要素となっている。地元の熱血暴力刑事と都会から派遣されてきた冷めた優秀な若手刑事、というありがちなバディではなあるが、いがみ合いつつも協力するようになりいつしかその関係性は逆転し…。
迷宮入りした事件である実話を元にしており、ラストは消化不良になったか?と思いつつもエピローグの後味は悪くなく、別の意味で存分に"後味の悪い"作品であった。
2006年に時効を迎えたが2019年には別の罪で収監されていた人物が真犯人であったと解ったという経緯を含めるとより味わい深い作品となるだろう。
ミステリーは解決することが勿論重要だが、映画としてはその過程を映すとこにこそ価値があり醍醐味なのだと痛感させられた。いうまでもなく傑作です。

ezio