劇場公開日 2001年11月3日

メメント : 特集

2001年11月1日更新

監督は「いきなりブレイク」でなきゃ!

近年の「いきなりブレイク」監督をチェック!

編集部

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◆クエンティン・タランティーノ

近年の「いきなり王」はこの人!

63年、米テネシー州生まれ。監督作はすべて脚本も担当。27歳で第1作「レザボア・ドッグス」(91)。第2作「パルプ・フィクション」(94)はアカデミー脚本賞、カンヌ映画祭パルムドール、NY批評家賞、LA批評家賞双方で監督賞と脚本賞。2作目で映画賞総なめ状態はスゴイ。

が、オムニバス「フォー・ルームス」(95)、第3作「ジャッキー・ブラウン」(97)の後は役者業、製作業が多く、来年撮影開始の第4作「キル・ビル(原)」が久々の監督作に。

◆ロバート・ロドリゲス

すでに自作の続編企画いっぱいの商売人?

68年、米テキサス州生まれ。監督作は脚本も担当。編集をすることもある。23歳の監督第1作「エル・マリアッチ」(92)を7000ドルの低予算で撮り、サンダンス映画祭観客賞受賞、コロンビア映画と2年間契約を結ぶ。「デスペラード」(95)、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」(96)、「パラサイト」(98)、「スパイキッズ」(01)とコンスタントにヒット作を続け、自作2作の続編企画が進行中。実は手堅い商売人の道を驀進中か?

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◆ブライアン・シンガー

とりあえず大作を撮る算段はついてるが

66年、米ニュージャージー州生まれ。監督第1作「パブリック・アクセス」(93)がサンダンス映画祭審査員賞。第2作「ユージュアル・サスペクツ」(96)がアカデミー助演男優賞(ケビン・スペイシー)と脚本賞(クリストファー・マッカリー)を受賞して、一躍、注目株に。

第3作「ゴールデン・ボーイ」(98)はヒットしなかったが、第4作「X-メン」(00)は製作費の割に高収益を上げ、「X-メン2」も契約済み。業界生き残りはしていきそう?

◆ポール・トーマス・アンダーソン

たった2作でアカデミー6部門ノミネート

70年、米カリフォルニア州生まれ。監督作は脚本も担当。第1作「シドニー(改題:ハード・エイト)」(96)は無視されたが、第2作「ブギーナイツ」(97)でアカデミー賞で3部門=脚本賞(本人)、助演男優賞、助演女優賞にノミネート。第3作「マグノリア」(99)も同じく3部門=脚本賞(本人)、助演男優賞、主題歌賞にノミネートで、批評家筋ウケは既に定着? 次回作はあのアダム・サンドラー主演のコメディ(タイトル未定)だがさて。

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◆ケビン・スミス

その方面の地位を確立。今後の新展開はあり? なし?

70年、米ニュージャージー州生まれ。監督作は脚本も担当。第1作「クラークス」(94)がサンダンス映画祭で監督賞、カンヌ映画祭でヤング・シネマ賞を受賞。第2 作「モールラッツ」(95)は不発で「チェイシング・エイミー」(97)、「ドグマ」(99)で批評家賞の常連に。新作「ジェイ&サイレント・ボブ(仮)」(01)は旧作のキャラ映画だが、次回作「フレッチ・ウォン(原)」で小説の映画化初挑戦。新境地開拓なるか。

◆ダーレン・アロノフスキー

なんつったって次回作はあの「バットマン」新作だ

69年、米ブルックリン生まれ。監督作は脚本にも参加。長編第1作「π」(98)でサンダンス映画祭監督賞、インデペンデント・スピリット・アワードで脚本賞を受賞、各地の映画祭で話題を集める。これはインディ映画だったが、第2作「レクイエム・フォー・ドリーム」(00)はエレン・バースティンがアカデミー主演女優賞にノミネート、ハリウッドで認められた格好。次回作は「バットマン・イヤー・ワン(原)」。これで真価を問いたいところ。

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◆ウォシャウスキー兄弟

「マトリックス」続編2作は果たしてどうなる?

兄は65年、弟は67年、米シカゴ生まれ。監督作は脚本も担当。第1作「バウンド」(96)はインターナショナル・フィルム・アワードの作品賞、MTVムービーアワードのベスト・キス賞を受賞と、他の新人監督達とはウケる場所が違う。第2作がご存知「マトリックス」(99)。この作品がその後の映像に及ぼした影響力はご存知の通り。この作品の続編を作るという勇気ある挑戦の結果はどうなるのか。「マトリックス・リローデッド(原)」は来年公開だ。

◆M・ナイト・シャマラン

連続2作、全米興行成績ナンバーワンはこの人だけ

70年、インド生まれ、米フィラデルフィア育ち。監督作は脚本も担当。92年の第1作、第2作「翼のない天使」(98)に続く、第3作「シックス・センス」(99)が大ヒットのうえアカデミー賞6部門ノミネート(監督賞、脚本賞含む)。第4作「アンブレイカブル」(00)も大ヒットで、「オチで見る映画」の大流行を生んだ感あり。次回作「サインズ」はメル・ギブソン主演のスリラーだからきっと……。

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◆スパイク・ジョーンズ

かのコッポラのお嬢さん、ソフィアの旦那さまなんだが

69年、米メリーランド州生まれ。第1作「マルコヴィッチの穴」(99)でアカデミー賞監督賞ノミネートの快挙。この人の監督作ならビースティ・ボーイズやファット・ボーイ・スリムのクリップのほうがおもしれえじゃん、と思いつつ、次回作「アダプテーション(原)」は前作と本作の脚本家、チャーリー・カウフマン(さすがに本人じゃなくニコラス・ケイジが演じる)が、自分の脚本を手直しされないよう悪戦苦闘する話、となるとやっぱ見たい。

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◆おまけ

一発屋の危険信号点滅中!?

第1作で注目を集めても、2作目以降がうまくいくとは限らない。この点で心配なのは、まず、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(99)の2人組監督ダニエル・マイリック&エドゥアルド・サンチェス(写真)。続編「2」は製作のみで監督はしていなかったものの大不評に終わり、「1」の前の話を描く「3」を監督中のはずだが、さて。それから第2作「トレインスポッティング」(96)でブレイクしたダニー・ボイルも続く2作「普通じゃない」(97)、「ザ・ビーチ」(99)が不調で心配。そういえば、ある意味もっと先が見えないのがガイ・リッチー監督か。第1作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(98)でハリウッドと契約、第2作「スナッチ」(00)は興行的にはイマイチだったが、マドンナと結婚、息子も誕生。もう監督しなくてもいいかとも思うがどうか?

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