「記憶を維持出来ない、という擬似体験。」メメント アルさんの映画レビュー(感想・評価)
記憶を維持出来ない、という擬似体験。
何が本当で、何が嘘なのか。自分のメモすら信じられない世界を、レナードと一緒に記憶を断片的に繋げていく。
10分しか記憶が保てないというのが分かれば、自分の都合良く利用しようとする人達ばかり。と思いながら観てしまうので、登場人物全員の誰の言葉も信用出来ないまま、監督の思うツボにハマっていってしまう。
モノクロのシーンと、カラーのシーン、この仕組みに途中から気付いたものの、どうしても記憶の断片を組み上げられず。冒頭のシーンから伏線扱いとなっているが、テディのラストシーンでの告白でも、自身の理解力では70%程度が限界でした笑
徐々に真実が明らかになっていくだが、全ては『妻を愛している』ただそれに尽きる。10分という今と、鮮明な過去の記憶。その記憶の危うさ、メモ(記録)の重要性、それをラスト全て覆してくるのもさすが。
娯楽としても、作品としても、文句無し。数十年前の映画とは思えない完成度の高さ。推理系サスペンス好きにはたまらない。
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