劇場公開日 2001年11月3日

「難解かつ独特なストーリー展開」メメント Tiko Kaedeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0難解かつ独特なストーリー展開

2020年2月16日
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 題名にもある通りこの作品は物語の展開が独特で開始10分くらいまで物語の進行についていけなかった。というのも、普通は起承転結で物語が進行していくのに対し、この物語は結末から始まり一定の間隔で『起』に戻り、また一定の間隔で『結』の続きに戻りと交互にストーリーが進行して最終的にはそれぞれ『起』と『結』から進行したストーリーがくっついて物語の真相が分かるという独特の展開であったからだ。
 また、主人公レナードは後遺症により10分程度しか記憶を保つことができずポラロイドカメラで撮った写真や自身が書き残したメモを頼りに行動するため、何が本当で何が嘘なのか、今まで自分が何をしていたのか、彼は覚えておらず、結末から戻る形でストーリーを観ている我々にもわからない。これらの要素がこの作品を読み解くのを難しくしている理由である。

あらすじを見てこの映画を視聴したにも関わらず物語の進行についていけなかったのが悔しかった。物語の最後に『起』から『結』まで分かりやすいようにまとめてくれるのではないかと期待していたがそのような描写はなかった。独特なストーリー展開、10分の記憶、嘘をつく人物、これらが視聴者を混乱に陥れている要素であり、僕はこれに完全に踊らされ、真相を知った後も全くスッキリせずに視聴を終えてしまった。

Tiko Kaede