「ダメ男しか愛せない哀しき女性の転落人生」嫌われ松子の一生 Ichiさんの映画レビュー(感想・評価)
ダメ男しか愛せない哀しき女性の転落人生
一つ歯車が狂ったことで、これでもかというくらい悲惨な人生を送ってしまう、ありそうでなさそうでありそうな男運のない女性の物語。「歯車が狂った」のか「男運」がないのか、ダメ男しか愛せない不器用な松子の人生は、ファンタジーやミュージカルの要素を取り入れコミカルに描かないと本当に目を覆いたくなる。
どんなにやり直しを誓っても、ダメ男に一途になってしまうから、本人が辛い思いをする羽目になる。「一途」「不器用だけど」などと形容すると、さも本人に落ち度はないように聞こえるが、結局人生を修正出来ず、最後自暴自棄になってしまうあたり、本人にもだらしなさはあったのだろう。思えば、お金を盗んだ生徒を庇うため自ら立て替えようと人の財布からお金を抜き取っているのだから、既に自業自得なのである。
映画の登場人物に説教しても仕方ないが、今風に言えば全ては自己責任である。
ただ映画中に何度か出てきたセリフ「人生は人に何をしてあげたか」で幸せが決まるのであれば、松子は松子で案外幸せな人生だったのかもしれない。
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