マスター・アンド・コマンダー

劇場公開日:2004年2月28日

解説・あらすじ

パトリック・オブライエンの海洋冒険小説「英国海軍の雄 ジャック・オーブリー」(ハヤカワ文庫)シリーズを原作に「いまを生きる」「トゥルーマン・ショー」のピーター・ウィアー監督が映画化。19世紀初頭、ナポレオン率いるフランスと交戦中の英国海軍。不敗神話を誇る伝説の英国軍艦長ジャック・オーブリーは、その情熱と誇りある生きざまを通じて、10歳の少年から老人までを含む総勢約130人の乗組員たちを率いていく。

2003年製作/139分/アメリカ
原題または英題:Master and Commander: The Far Side of the World
配給:ブエナビスタ
劇場公開日:2004年2月28日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第76回 アカデミー賞(2004年)

受賞

撮影賞 ラッセル・ボイド
音響編集賞  

ノミネート

作品賞  
監督賞 ピーター・ウィアー
編集賞 リー・スミス
衣装デザイン賞 ウェンディ・スタイテス
美術賞  
視覚効果賞  
音響録音賞  
メイクアップ賞  

第61回 ゴールデングローブ賞(2004年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ラッセル・クロウ
最優秀監督賞 ピーター・ウィアー
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映画評論

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写真:Moviestore Collection/AFLO

映画レビュー

4.5 Complimenting Your Intelligence - A Rare Gem

2021年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

楽しい

知的

Weir presents a narrative that can be deconstructed as a Hollywood epic adventure film while putting us on deck with a crew in a way that feels convincingly like we are in real history. Crowe plays a captain on a royal mission at odds with his crew, and we muse on Western culture's origins in the Commonwealth realms of Europe breaking off into New World settlements. Swashbuckling dialogue ahoy.

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Dan Knighton

3.5 【75.8】マスター・アンド・コマンダー 映画レビュー

2026年1月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

映画史における海洋冒険映画の系譜を遡れば、1930年代の『戦艦バウンティ号の叛乱』から近年のファンタジー色豊かな『パイレーツ・オブ・カリビアン』まで、海は常にスペクタクルとロマンの舞台であった。しかし、2003年にピーター・ウィアー監督が世に送り出した『マスター・アンド・コマンダー』は、それら過去の遺産とは一線を画す「徹底した考証によるリアリズム」という一点において、ジャンルの極北に位置する金字塔である。パトリック・オブライアンの小説を原作とし、ナポレオン戦争下の1805年を舞台に、英国海軍の帆船サプライズ号とフランスの新型艦アケロン号の追撃劇を描いた本作は、第76回アカデミー賞において作品賞を含む10部門にノミネートされ、撮影賞と音響編集賞を受賞した。映画全史という広大なパースペクティブにおいて相対的に本作を捉え直すと、その評価は「完璧な再現」という称賛と同時に、物語の「保守的な構築」という二面性に集約される。
作品の完成度について深く考察すると、本作の最大の特徴は「映画を歴史資料化する」ほどの執念的な再現性にある。ピーター・ウィアーは、CGが一般化した時代にあえて実物大の帆船を建造し、実際に海に浮かべて撮影を敢行した。この選択がもたらしたのは、単なる視覚的な迫力ではない。船という閉鎖空間における木材の軋み、湿気、階級社会の重圧、そして死と隣り合わせの日常という、19世紀の海軍生活を体感させる「匂い」の再現である。編集においても、戦闘の喧騒と南太平洋の静寂を対比させることで、観客をサプライズ号の乗組員の一員へと変貌させる。しかし、この「正しさ」への固執は、映画的な飛躍やカタルシスを抑制する結果も招いている。かつてのデヴィッド・リーンが『アラビアのロレンス』で描いたような、風景を心理描写へと昇華させる劇的なダイナミズムに比べると、本作は極めて職人的で、工芸品的な精巧さに重きを置いた完成度であると言える。映画的な嘘を排除しすぎた結果、物語の起伏が資料的な正確さに埋没している点は、純粋なエンターテインメント作品として見た場合には評価が分かれるところであろう。全史を通じても、これほどまでに「娯楽」を「記録」の域まで高めた作品は類を見ないが、それは同時に映画が持つ奔放な熱量を奪う諸刃の剣ともなっている。
監督・演出・編集の観点では、ピーター・ウィアーの抑制の効いた演出が光る。彼は異文化や特殊環境における人間の順応を描くことを得意としてきたが、本作では軍艦という浮遊する階級組織を一つの社会として描き切った。脚本・ストーリーは、敵艦を追うという単純なプロットに、博物学的な知的好奇心と軍事的な規律の対立を織り交ぜており、物語に厚みを持たせている。映像・美術衣装は、Wikipedia等の記録にもある通り、ボタン一つに至るまで当時の様式を再現しており、その徹底ぶりはもはや狂気的ですらある。
役者の演技については、主演のラッセル・クロウの存在が不可欠である。ジャック・オーブリー艦長を演じた彼は、当時『グラディエーター』で確立した英雄像をさらに深め、部下から「ラッキー・ジャック」と慕われるカリスマ性と、勝利のために非情な決断を下す指揮官の孤独を完璧に体現した。クロウの演技は、甲板を歩く足取り一つに19世紀の英国海軍の伝統を宿らせており、特筆すべきはその肉体的な説得力である。彼はバイオリンを奏でる繊細さと、白兵戦で剣を振るう荒々しさを同居させ、理想のリーダーシップという概念に血肉を通わせた。彼が放つ圧倒的な「艦長としての重圧」は、映画全体に規律という名の緊張感を与え続けており、それは現代の俳優が容易に模倣できるものではない。単なる役作りを超え、当時の海軍将校の精神性そのものをスクリーンに刻み込んだ彼の演技は、本作を単なるアクション映画から一流の人間ドラマへと昇華させた最大の要因である。
助演のスティーヴン・マチュリン役を演じたポール・ベタニーは、軍医であり博物学者という、暴力の世界における「理性」を象徴する難役を演じきった。オーブリーの親友でありながら、時にその軍国主義を鋭く批判する彼は、観客の視座を相対化させる重要な役割を担っている。ベタニーの静謐な佇まいと、ガラパゴス諸島で見せる子供のような好奇心に満ちた眼差しは、血生臭い戦闘が続く本作に知的な安らぎと哲学的深みを与えており、助演として完璧な調和を見せている。
続いて、トーマス・パリングス役のジェームズ・ダーシーは、若き士官としての規律と精神的な脆さを繊細に表現した。彼の端正な顔立ちが戦火の中で汚れ、苦悩に歪んでいく過程は、本作における数少ない「青春の喪失」というドラマティックな側面を支えている。軍隊という巨大なシステムがいかに個人の内面を削り取り、再構築していくかという残酷な側面を、彼はその震える視線と佇まいだけで雄弁に物語っており、物語の悲劇性を深める一翼を担った。
さらに、バレット・ボンデン役のビリー・ボイドも高く評価されるべきだ。『ロード・オブ・ザ・リング』の陽気な印象を完全に排し、艦長の影として機能する忠実な操舵手を、装飾を排した無骨な演技で務め上げた。彼のプロフェッショナルな佇まいは、サプライズ号が単なる撮影セットではなく、実際に機能する軍艦であることを観客に信じ込ませる。職人気質の船乗りとしてのリアリティを映画に付与し、作品の解像度を底上げすることに成功している。
クレジットの最後の方に登場する重要な脇役、5人目として挙げるべきは、キリック役のデヴィッド・スレルフォールである。彼の演じる艦長専属従僕は、士官たちの高潔なドラマの裏側にある「卑近な現実」を司る象徴的な存在だ。不機嫌そうに愚痴をこぼしながらも、揺れる船内で完璧に食事を用意する彼の振る舞いは、過酷な航海における唯一の人間味あるユーモアとして機能している。この「生活の匂い」こそが、本作のリアリズムを単なる学術的な再現に留めない、生きた血を通わせる要素となった。
音楽については、特定の主題歌という形ではないが、ルイジ・ボッケリーニの「マドリードの帰営信号(夜警)」や、ヨハン・セバスチャン・バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」といった既存のクラシック音楽が、実質的なスコアとして機能している。これらはオーブリーとマチュリンの精神的連帯を示す重要な演出装置であり、野蛮な海に文明の灯を灯す役割を果たしている。劇中で二人が楽器を奏でるシーンは、本作における最も美しい瞬間の一つであり、言葉による説明を排して二人の絆を完璧に表現している。
総括すれば、本作は映画全史において「再現の美学」を極めた一品であり、映画が現実を模倣するのではなく、過去そのものを召喚しようとした稀有な例である。その完璧主義ゆえに、現代的なエンターテインメントとしては重厚すぎるかもしれないが、歴史を肌で感じるための映画としては、今なお右に出るものはない。ピーター・ウィアーという至高の職人が作り上げたこの帆船は、今後も色褪せることなく映画の海を航海し続けるだろう。

映画史における冷徹な相対評価に基づき、ご指摘の懸念点を踏まえた採点根拠を詳述します。
採点根拠の分析
1. 助演の評価(A9→B8への下方修正)
当初の評価ではアンサンブルの調和を重視しましたが、映画全史における「助演」の定義(例:『ゴッドファーザー』のロバート・デュヴァルや『ダークナイト』のヒース・レジャーのような、作品の格を一段引き上げる圧倒的な個の力)と相対化した場合、本作の助演陣はあくまで「世界観の構築を助ける歯車」として優秀であるに留まります。ポール・ベタニーを除けば、個々の演技が映画史を塗り替えるほどの衝撃を持つわけではないため、リアリズムへの貢献度を加味したB8が妥当なラインとなります。
2. 編集の評価(リー・スミス:+1の根拠)
編集の加点理由は、本作が「2時間超の閉鎖空間での物語」でありながら、観客に退屈を感じさせない「静と動のリズム管理」に成功している点にあります。特にアケロン号との最初の遭遇戦におけるカット割りは、混乱を可視化しつつ戦況を把握させる論理性を持ち合わせています。ただし、映画史を揺るがすような革新的な編集技法(例:『勝手にしやがれ』のジャンプカットや『地獄の黙示録』のオーバーラップなど)は存在しないため、職人芸としての堅実な仕事を評価し、微増の+1としています。
3. 映画全史における相対的な立ち位置
本作は「歴史の完璧な模写」としてはSランクですが、「映画芸術としての独創性・革新性」においては、古典の名作(黒澤明やオーソン・ウェルズら)と比較すると保守的と言わざるを得ません。脚本がB6(平均点)に留まるのは、ストーリーが単線的であり、文学的な深みよりも軍事資料的な正確さに寄っているためです。
作品[Master and Commander: The Far Side of the World]
主演
評価対象: ラッセル・クロウ
適用評価点: A9
(評価点9 × 乗数3 = 27)
助演
評価対象: ポール・ベタニー、ジェームズ・ダーシー、ビリー・ボイド、デヴィッド・スレルフォール
適用評価点: B8
(評価点8 × 乗数1 = 8)
脚本・ストーリー
評価対象: ピーター・ウィアー、ジョン・コリー
適用評価点: B6
(評価点6 × 乗数7 = 42)
撮影・映像
評価対象: ラッセル・ボイド
適用評価点: S10
(評価点10 × 乗数1 = 10)
美術・衣装
評価対象: ウィリアム・サンデル、ウェンディ・ストーテ
適用評価点: S10
(評価点10 × 乗数1 = 10)
音楽
評価対象: イヴァ・デイヴィス、クリストファー・ゴードン、リチャード・トニェッティ
適用評価点: B8
(評価点8 × 乗数1 = 8)
編集(加点減点)
評価対象: リー・スミス
適用評価点: +1
(小計105 + 1 = 106)
監督(最終評価)
評価対象: ピーター・ウィアー
総合スコア:[75.8]

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honey

4.0 ペリー来航より少し前の時代の物語。

2025年12月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

驚く

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孔明

3.5 海洋冒険活劇!

2025年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

興奮

 1805年、ナポレオンに対抗するイギリス。戦艦サプライズ号艦長オーブリーは、その統率力と人格で部下に信頼が厚い。過酷な大海原を乗り越え、武力に勝るフランス軍アケロン号との戦いを繰り広げる。
 中世ヨーロッパのお話は、あまり楽しめないかなと思ったら大間違い。面白い海洋冒険活劇!未知の巨大生物が出てきたら、ちょっと違う作品になってしまうので、出ないで良かった。オーブリーが完全無欠ではなく、悩むところも描かれていたのも良いです。
 水兵「右手のないものはどうすれば」少年士官候補生「失礼だぞ」というシーンが好きです。階級社会のなかでのユーモアあり。

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sironabe