「確信がなく撮ってる気がします」マルコヴィッチの穴 チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)
確信がなく撮ってる気がします
脚本の妙ということなのでしょうけれども、やはり『脳内ニューヨーク』でも同じことを感じましたが、これは映画としては成立してないのではないかという気がしてしまいます。
この設定だけがあって、この設定の思い付きを楽しんでいるだろうなぁという気はしますが、それを映像化するのに何が必要か、あまり考えられていないのではないでしょうか?
なんと言いますか、この映画は、何で観客を惹きつける、魅了するのか、その確信がないままに撮っている感じがしてきます。
たとえば、7と2分の1階という設定ですが、そのフロアの天井が低いことの意義があまり分かりません。あんな風に、マルコヴィッチの穴という異次元に入っていく前の空間にも、異様さを持たせてしまったら、こちらとしては、現実から異次元への変化で感じられるはずの摩訶不思議さが減じてしまっているように思います。せっかく穴という窮屈な空間に入っていくんだから、それ以前は普通の空間であった方が、そのコントラストが生きたと思うんですよね。結果的に、なんか感覚としてはずっと、物理的な穴の中にいる感じになってしまって、本当に感じるべき(つまり、この映画のテーマだったはずの?)現実世界そのものが十分に穴の中、という感覚が味わえないような気がしました。
って、こういう風にいろいろと書きたくなってしまうのは、私の中のモヤモヤをなんとかしたいから…なんでしょうね… すいません、はい。
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