LOFT ロフトのレビュー・感想・評価
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【”その女は永遠の美を求めて湖に沈み、ミイラになった・・。”黒沢清監督作の中でも、ダークテイストが色濃く、禍々しい雰囲気も十分な作品。】
ー・・そして、千年の後、彼女は目覚め、そして私に呪いをかけた。恐るべき永遠の愛という名の呪いを・・。-
・流行作家、ハルナレイコ(中谷美紀)はスランプになり、高円寺のマンションから編集者キジマ(西島秀俊)が見つけてきた郊外の”古い洋館”に引っ越しをする。
その洋館の前にはある大学の研修所があり、ある日謎の男を見かけるレイコ。
その男、大学教授のヨシオカがその研修所に密かに隠していたのは、湖から引き揚げた1000年前の若い女性のミイラであった。
-ジャンルで言えば”ジャパニーズ・ホラー”の範疇に入るのであろうが、そこは黒沢清監督。現代の殺人事件と、1000年前のミイラが抱いていた恋心とを結び付け、独特の世界観を生み出している。
ホラーを楽しむよりは、黒沢監督の持ち味である、”この世とあの世の関わり合い”を楽しみたい作品。
<韓国との共同制作であるがゆえに、ジャパニーズ・ホラーテイストを前面に出したと思われる作品。>
■現在から、15年前の作品であるが、”ある思い”に取りつかれた男女の姿を黒沢ワールドテイストの中で描き出した作品。
救いようのない結末も、何とも言えない・・。
ホラーという割には全然怖くないし、盛り上がりに欠ける退屈な展開。 ...
DVD108円ゲットシリーズ。夏はホラーですよね。 ストーリー、分...
先入観をぶち壊す野心作
拙ブログより転載で。
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全編にみなぎる緊張感は黒沢清監督のそれ。
しかし、今回壊されるのは人格でも世界観でもなく、黒沢ホラーそのもの。
ミイラという素材といい、つきまとう幽霊といい、「♪ヒュードロドロ」というBGMといい、これは典型的な怪談話なんだと気づくと、これまで得体の知れない恐怖を突き詰めてきた黒沢監督の意図が見えてきた。
この映画、ホラーテイストに満ちてはいるが、結構笑えるシーンが意図的に仕組まれている。観る側の先入観からすれば、安達祐実が幽霊を演じているだけで妙な可笑しさがある。それすら狙いのキャスティングなのか。
映画が進むにつれ、この映画の持つ可笑しさは加速度的に増す。壊されていくホラー映画としての面目、黒沢ホラーに対する期待。
中谷美紀演じる芥川賞作家・春名礼子は言う。「あなたが1000年間守ってきた物を私は捨てた」と。それはプライド。
豊川悦司演じる大学教授の苦悩が、解き放とうにも解き放てない呪いと闘う“Jホラーの旗手”黒沢監督の姿とだぶる。
一見難解な作品だが、その実、黒沢監督が挑む典型的な怪談話。と同時に、先入観をぶち壊す野心作として記憶に残る怪作。
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