「幽霊に同情しちゃうとまずいらしいけど、安達祐実の幽霊だったらお金をあげれば成仏してくれます。」LOFT ロフト kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
幽霊に同情しちゃうとまずいらしいけど、安達祐実の幽霊だったらお金をあげれば成仏してくれます。
“ロフト”に別の意味があることを知らずに、「以前住んでたアパートはロフトだったよ~」などと体験談を書こうとしていたのに、思うように書けなくなりました。そこで誰も読んでないようなネット記事を探し出して転記しようかとも考えましたけど、そんなことをしてしまうと西島秀俊に殺されるかもしれないので諦めました。
元々黒沢清作品が苦手であるにもかかわらず、彼の映画講座を聞きにいったこともありまして、ウンチクの多さや映画に対する姿勢というものに感動してしまいました(黒沢作品を理解しようと努力していることをご理解ください)。したがって、映画そのものの評価よりも監督は何が言いたいのか、監督はどんな顔をして演出しているのか、などと常に監督の顔をイメージしながら観てしまいます。登場人物が少ないにも拘らず、チョイ役で出演する加藤晴彦や、幽霊もミイラも似合いそうもない安達祐実の起用などはサプライズなのか冗談なのかわからないほど。そして、千年越しの呪いの恐怖よりも、一箇所だけカメラアングルが横になってしまったところに恐怖を感じてしまいました。
ホラーというよりもサスペンス。謎めいた殺人事件はなんとなく理解できるものの、中谷美紀が人の原稿を拝借した作品がどうなったのかが謎のまま展開します。「感想を伝えにきただけだ!」と叫ぶ西島秀俊の感想を今か今かと待ち構えていると、窓に石を投げつけて逃げ帰ってしまいました。
残念だったのが、生き返った安達祐実のシーン。お前は千年女優か!という期待もあったのですが、理解力の鋭いトヨエツが正体を見破ったところに違和感があったため、結局のところ、呪いがどうなったのかわかりませんでした・・・
【2006年11月映画館にて】