「家族の絆、だけではない」リトル・ダンサー ymさんの映画レビュー(感想・評価)
家族の絆、だけではない
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バレエに魅せられていく本人だけでなく、その周りのクィアの友人、最後にはストを破り信念を曲げ傷ついてまで息子の才能と彼への愛情に突き動かされる父親、主人公に対比して描かれる、炭鉱夫としての未来しか残されない兄、田舎のバレエ教師、街に残される少女や人々…と各々の人生への隠喩が鏤められた傑作。才能の残酷さまで魅せるようなその手法に心臓を揺さぶられた。特に父親が非難を浴びながら乗るスト破りのバスと主人公が未来へと旅立つバスが暗に対比するように描写される様子には鳥肌が立つ。各人の視点を考えながら何度でも見返したい作品であった。
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