リンダ リンダ リンダのレビュー・感想・評価
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高校文化祭の空気、そのまんま詰まってます
高校の文化祭、あの特別な空気がそのまんま詰まってて、すっかり入り込んじゃいました。
元々のメンバーで文化祭に参加出来なくなった女の子バンドの3人、本番2日前にペ・ドゥナ演じる韓国人留学生ソンさんを引きずりこんで練習開始。
4人がホントに魅力的。各々の自主練習シーンが楽しかった、彼女達とぐっと近づいた気がしました。ソンさん、いいぞぉ。
ソンさんと、3人、とりわけ香椎由宇演じる気の強い立花恵の心が近づいていくプロセスが自然で素敵。ちょっと照れ臭いような切なくて泣きたいような。
そして・・・。たぶん何度も観たくなる作品です。
関根史織演じるベースの望ちゃん、なんか大好きキャラでした。演奏上手いし、と思ったらそちらが本業の方でした。
軽音部の顧問の先生、甲本雅裕はブルーハーツつながり?すごくいい先生、ピッタリでした。
女子高生が魅せた”3日間のキセキ”
この反応であってるのかな?
笑いっぱなしなんですけど
しかもバカ笑いまじりで(苦笑)
いやぁ、このストーリーを浮かべた
着想力、すごいっすよ(驚愕)
もう一回、笑いたいから、
すぐに二回目みちゃったよ(笑顔)
え~~、恥ずかしながら
今回冒頭の感想3本立てで行ってみました。
そんだけ、衝撃を受け、大笑いしたわけです。
では、順番に書いちゃいましょう。
①バカ笑い
手を叩いて笑ってしまったのが3箇所。
登場順に行くと、一つ目がペ・ドゥナさんとカラオケ店員とのやりとり。
「歌うためにはドリンクの注文が必要」と強調するカラオケ店員に対し
「それ、おかしいよ」とペ・ドゥナさんが持ち込んだ水のペットボトルを
受付カウンターに出して対抗するやりとり。間と表情に大爆笑。
二つ目がペ・ドゥナさんと、香椎由宇さんの元彼とのやりとり。
こちらは、ペ・ドゥナさんが魅せる表情と仕草に大爆笑。
最後三つ目。ライブ本番前練習中のスタジオトイレ。ペ・ドゥナさんと
香椎由宇さんが、お互いに「ありがとう」とお礼を言い合う感動の場面のはずだった。
しかし、私は一瞬ウルッとした後に、二人の背後にありえないほど大量に積み上げられた
トイレットペーパーを発見。これ多すぎでしょ、と大爆笑しちゃいました(苦笑)
②着想力
女の子のバンドが文化祭で発表するだけならありえそうですが、
そのボーカルを韓国人留学生にしたこと、そしてその留学生役に
ペ・ドゥナさんをキャスティングしたこと。この二つに脱帽です。
③2回観た
もう一度笑いたくて、もう一度感動したくて、すぐに観ちゃいました。
ここで気づいたのが、友情、仲間意識が深まる距離感の魅せ方の上手さを二つ。
一つ目が肉体的距離。
香椎さんがペ・ドゥナさんをボーカルに誘った直後、
バス停に座り雑談をしています。このとき、香椎さんとペ・ドゥナさんの間に、
香椎さんの通学用かばんが置いてあります。これは心理的に警戒感をまだ抱いているときに
する行為です。しかし、2日目、夜の学校屋上では、バンドメンバー4名すべてが体を寄せ合い
連帯感が深まったことを示しています。この距離の魅せ方、上手いなと。
二つ目が呼び方
ペ・ドゥナさん役名はソンという名前なんですが、
3日間一緒に練習をするにしたがって、ソンさん→ソンちゃん→ソンと
呼び方、親しみ度を示すかのように、呼ぶ声にも丸みを帯びてきます。これも上手いな、と。
上手いといえば、香椎由宇さんの演技。
私、はじめて彼女の演技が上手いなと思いました(苦笑)
ただ、これには山下監督の演出力もあるのかなと思いまして、
これ、想像なんですが「素に近い感じでやってみて」と演出をしていたんじゃないのかなと。
冒頭、香椎さんがペ・ドゥナさんをボーカルに誘うシーンから、
その後も統一されているんですが、カメラを、なるべく全員が映る場所に、
それも、少し離れた場所に置いているんです。だから、映し出される画が、
ドキュメンタリーっぽいんです。あまりBGMも入れず、車が走る音など、
自然発生する音をそのまま使っています。だからこそ、微妙な心のざわめきとか、
恋模様とかに、余計にときめかされてしまうのです。恋模様といえば、松山ケンイチくんが
ペ・ドゥナさんに、告白するシーンも、ペ・ドゥナさんの間をずらした演技に笑ってしまいました。
ラストは、やはり
ブルーハーツの演奏で盛り上がって締め。
エンドロールを観るかぎり、この演奏は
本人たちが実際にひいているようです。かなり苦労したんだろうな。
ホント、上手かったし、ここは素直に感動しました(笑顔)
ただ、2回目観たときに演奏する体育館の壁にかけてある
時計の時間がストーリー上、辻褄があわないことを見つけちゃったりもしたのですが(苦笑)
☆彡 ☆彡
エンドロール、なにを協力したのかわかりませんが、
木村カエラさんの名前がありました。2005年のときって、もう売れてましたっけ?
と、これ以外にも
楽しませてもらったのですが
文字数が足りなくて書けない(苦笑)
甘酸っぱい高校時代を描いた3日間のキセキ(奇蹟・軌跡)
十分に堪能させてもらいました。ありがとうございます(笑顔×2)
青春映画の佳作
ライブを予定していた学園祭を前に、突然、ボーカルが脱退してしまった女子高校生バンドが、ひょんなことから韓国からの留学生をスカウトして、学園祭に向けて悪戦苦闘しながら突き進む、という青春映画。
高校生が紡ぐ音楽を題材にした同系統の作品に「スウィングガールズ」や「うた魂♪」があるが、本作には前述した2作品にはない、青春時代独特の苦みや甘酸っぱさがしかっりと描かれているのが素晴らしい。誰もが過ごす時代だけど、誰もがいつまでも過ごせない青春時代の切なさをしっかりと描き切れているのだ。そこら辺は山下監督の力量だろう。
また、何と言っても韓国からの留学生にペ・ドゥナをキャスティングしたのが映画が成功したポイント。言葉も文化も分からない世界に飛び込んだ異邦人が、ブルーハーツの音楽を介して日本の友人を作り上げる過程が涙ぐましいし、微笑ましい。青春映画の佳作だ。
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