「一瞬の輝き」リンダ リンダ リンダ TSさんの映画レビュー(感想・評価)
一瞬の輝き
青春映画と聞くと、なんかキラキラしているようなイメージがあるけれど、大多数の人にとって、実際の青春時代はキラキラなんかしていない。たぶん。
若くてエネルギーがあるはずなのに、毎日メンドクセーと思いながら学校行って、部活やって、ダラダラ帰り道に寄り道したり、友達とくだらない話して家に帰って、疲れて寝る。朝起きるとダルい。そう、時間が過ぎるのが遅くて、だいたいダルかった記憶しかない。
この映画には、そういうダルさと絶妙なユルさが信じられないくらいナチュラルに描かれている。冒頭のビデオ撮影のイケてなさとか、本番直前で切羽詰まっているのに切迫感がイマイチ感じられない4人の姿とか。それでいて、練習はちゃんとやって、本番ではきっちり決めてくるところも。
ソン(ペ・ドゥナ)のキャラクターがいい。彼女がいなければ、ここまでの作品にはなっていなかったと思う。孤立していた留学生が、ひょんなことからボーカルをやることになり、その魅力が3日間で徐々に開花していく。
ステージは一発勝負。祭りは一晩で終わる。その一瞬の輝きが消えると、またダルい日常に戻る。でもその一瞬の輝きが、多分人生の宝物になる。
はて、自分にはそんな宝物のような一瞬の輝きがあっただろうか?
あったという人は幸せ。無くても大丈夫。この映画で疑似体験できる。
※リンダリンダをカラオケボックスで大勢で熱唱したことを思い出した!
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