劇場公開日 2025年8月22日

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「あまり寄り添えなかった」リンダ リンダ リンダ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0あまり寄り添えなかった

2025年6月27日
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鑑賞方法:VOD

良い噂をよく聞く青春映画で、ずっと観るつもりはなかったのだけれど、いい加減観といたほうがいいかと挑んだ。
というのも、年をとって青春映画が面白く感じるようになったからだ。
若いときは、自分は青春映画を観ないけれど、どこかの若者が観ているのだと思っていた。しかし気付いた。青春映画はもう青春ではなくなった人が観るジャンルなのだと。
何か似たような青春を過ごした(ような)気になる、ノスタルジックなジャンルなのだと。
逆に言えば、青春映画は苦手だという人は、どんなに体が大きくなっていても、まだ心のどこかで青春中なんだな。

そんなわけで、近年は普通に青春映画を観るし、むしろ好きなジャンルになったわけだが、評判のいいこの作品はあまりハマれなかった。
特にここがダメとかいうところはなかったのだけれど、どこを観ればいいのか焦点が定まらなかったのかもしれない。
キャラクターの心境にイマイチ寄り添えなかったような感覚だ。

青春映画の醍醐味は、若さゆえの過剰な熱量からくる頑張り、もしくは暴走だと思う。
本作にも物語的にその熱量は確かにあったのだが、肝心の描写が薄かった。
自分の中で、頑張る若者を応援する親の目線も、当時の自分に重なる目線も生まれなかったのだ。
少々酷い言い方をするならば、動物園の動物を見ているような気持ち?。

もしかすると自分が「音楽好きじゃねえ」からかもしれないなとは思う。

つとみ