「正統派として清く正しく残酷スプラッターかつ考えさせられる作品です♪」死霊のえじき 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
正統派として清く正しく残酷スプラッターかつ考えさせられる作品です♪
高田馬場の「早稲田松竹」で「ジョージ・A・ロメロ監督特集」をやっていて、「ゾンビ」との二本立てと言う事で観賞しました。
で、感想はと言うと、良いね。
面白い♪
ゾンビ映画の大御所、ゾンビ映画界の手塚治虫ことw ジョージ・A・ロメロ監督の正統派「~オブ・ザ・デッド」系作品 第三弾で前作の「ゾンビ」よりも格段にパワーアップしているが、話の芯はブレてないし、いろんな要素が加わっていて観飽きない。
深い作品です♪
今から34年前の作品で当時劇場で観賞しているので映画館で観るのは2回目。
ストーリーも大体覚えていたけど、当時は「キモいなぁ グロいなぁ 怖いなぁ」ぐらいにしか思っていなかったんですが今観るといろんな発見が有り。
ストーリーは真っ当なゾンビ映画ですが、そこにいろんな人間模様を浮かび立たせてる。
ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ作品はあくまでもゾンビはきっかけてあるが、根本にあるのは人間のエゴや倫理の対立。
なのでドラマ性が高いんですよね。
それでいてグチョゲチョのスプラッター感もパワーアップで同日に二本立てで観たゾンビよりも遥かにエグい描写がすんごい。
眼ん玉の白い部分や内臓ゲチョゲチョでエグいエグい♪
これ、前作のゾンビよりもかなりパワーアップしていて、当時の広告やCMでも残酷スプラッターの部分だけを強調して宣伝してたのを思い出しました。
これを当時観た時は結構ショックだったのと、このエグいスプラッターを観たさに観に行ったっけw
だから、この物語の描き出す人間性の構造をキチンと理解してなかったので、改めて観れて良かったかなと。
ラストも良いんですよね。主人公のサラが目が覚めると南の島の海岸で寝ていて、そこに共に脱出した仲間が釣りをしたりしていて遊んでいる。
脱出が成功したのか、もしくは今までの事は夢だったのかが曖昧ではあるんですが、オープニングのサラが壁から大量のゾンビの手に襲われる事を伏線的に考えると哲学的であるんですよね。
また、ゾンビのバブも良い味出してる♪
敬礼する所なんてポスターでも使用されてますが、コミカルかつシニカルで良いんですよね。
サラの恋人のミゲルはもう"何してくれんねん!"とばかりにいらん事をしてくれますw
ゾンビ映画って、その後になると走ったり喋ったりジャンプしたり働いたりとバリエーションが増えすぎて、もう"ゾンビとはなんぞや?"みたいになって、何がなんだかな~みたいになってますが、個人的にはゆっくり歩いて、ユラ~ッと人間を襲うぐらいが良いんではないかと。
ゾンビ映画って今までに製作されたのは大小合わせたら累計1,000本以上あるらしいんですが、自分の中では走ったり喋ったりしないクラシックゾンビ作品の中ではかなりの部類かと。
ジャンルがジャンルなので、あまりお勧めは出来ませんがw お好きな方で未観の方は機会があれば是非♪