劇場公開日 2022年8月19日

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「卓越したセンスにやられた~」花様年華 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5卓越したセンスにやられた~

2024年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「午前十時の映画祭」で鑑賞。

あー、やられたぁ。やられました。
監督の繰り出すキレの良いパンチがビシビシと僕の感動中枢(?)に命中し、何度も「た、たまらん~」とダウンしそうになった。
ウォン・カーウァイ、ただものではないな。

作品の品格、妖艶さ、漂う色気、猥雑なムード、斬新さ、画面の色合い、ファッション性…… etc.
映画づくりの、というより、ものづくりのセンスが際立っている。芸術的センスが抜きん出ている。
とにかく画面が素晴らしくいい。どの場面を切り取っても絵になるし、音楽の使い方も秀逸である。
最初のワンカットで「これはかなりのレベルの作品だな」と感じたけれど、その予感は的中したのであった。

マギー・チャンのチャイナドレスはどれも本当に素敵。時折アップで映し出される彼女のボディラインはゾクっとするほど魅力的だ。
そして、予想だにしないラストシーン!

ただ、その抜きん出た感覚、芸術的表現が前に出すぎて、若干ストーリーがわかりにくいところもあった。
まあそういう点を差し引いても、本作は出色の出来だと思います。

観てよかったし、もう一度観たい。

追記
本作の舞台となった所を僕は全部訪れているので、そういう思い入れもありました。

peke