「鞄とネクタイ」花様年華 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
鞄とネクタイ
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スローモーション、パンといった効果的撮影技法、ラテンやワルツ、特に『Quizás, Quizás, Quizás』といったスタンダードを効果的に織込む選曲、そしてチャイナドレスの華やかさとプロポーションの美しさ、ARTとしての香港をこれ程映像化ならしめるウォン・カーウァイ監督に感嘆するばかりである。
ストーリーも、やせ我慢の極地というか、肉体の快楽じゃない精神世界への追求を表現していて
だからこそ哲学的なイメージを纏わせることで、より絵画的なイメージ構築に成功しているのだろうと感じる。
すれ違いや秘密の封印などを、完遂することに美学を奏でるウォン・カーウァイ作品に、オジサンになった今だからしみじみと心に溶け込むのだと感慨深さを得た内容であった
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