劇場公開日 2001年8月4日

「グラント博士の再登場がうれしい」ジュラシック・パークIII おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5グラント博士の再登場がうれしい

2025年8月7日
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鑑賞方法:VOD

怖い

単純

興奮

■ 作品情報
大ヒットシリーズ「ジュラシック・パーク」の第3作。監督はジョー・ジョンストン。主要キャストにアラン・グラント博士役のサム・ニール、ポール・カービー役にウィリアム・H・メイシー、アマンダ・カービー役にティア・レオーニなど。脚本はピーター・バックマン、アレクサンダー・ペイン、ジム・テイラー。

■ ストーリー
古生物学者のアラン・グラント博士は、多額の報酬を提示され、ある実業家夫婦の依頼で恐竜が生息するイスラ・ソルナ島の上空を巡るツアーのガイドを引き受ける。しかし、これは行方不明になった息子エリックを探すための夫婦の計略であり、飛行機は約束を破り島に強行着陸する。一度足を踏み入れてしまったグラント博士たちは、知能の高いヴェロキラプトル、ティラノサウルス、スピノサウルスなど、凶暴な肉食恐竜たちがはびこる島で決死のサバイバルを繰り広げることになる。

■ 感想
ジュラシックシリーズ最新作公開前に、個人的“ジュラシック祭り”第三夜として本作を鑑賞。またしても人間の浅はかさと自分勝手さによって惨事が引き起こされるというシリーズお馴染みの展開です。前作では出番のなかったグラント博士の登場はよかったですが、騙されて再び恐竜の島でのサバイバルに巻き込まれる姿は、ちょっと気の毒です。

正直なところ、序盤はあまりにも自己中心的なポールやアマンダらの登場人物に共感できず、作品世界に深く没入することができなかったです。「こんな勝手な人たちは恐竜に食われちゃえばいいじゃん」とまで思ってしまったほどです。子を思う親の気持ちもわかりますが、大切な人を助けるためなら他者を危険に巻き込んでいいということはありません。ましてや騙して強引に巻き込み、報酬さえも偽りだったなんて、どうにも納得がいきません。

しかし、中盤に差し掛かる頃には、恐竜たちの圧倒的な迫力はもちろんのこと、これまでのシリーズではあまり見られなかった彼らの知性が垣間見える描写に、しだいに引き込まれていきます。そのおかげで、物語のおもしろさが徐々に増していきます。

やはり舞台が島であること、そしてアラン・グラント博士が再び登場していることで、第1作への回帰を感じさせ、見応えを生み出しているように思います。終盤には、エリーの存在、ラプトルの狩猟や共鳴腔など、序盤に提示された伏線が次々と回収されていき、最後まで緊張感をもって楽しむことができます。

今後も、ジュラシックシリーズは、単なる恐竜パニック映画としてだけでなく、人間のエゴや傲慢さ、そして生命に対する向き合い方という普遍的なテーマ性を持ち続け、観る者に深く問いかけてくれる作品であり続けてほしいと思います。

おじゃる
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