「映像だけはいい」ジュラシック・パークIII Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
映像だけはいい
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総合:55点
ストーリー: 25
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 80
音楽: 75
シリーズ三作目だが、映像は相変わらず素晴らしいものの、それ以外に特に目新しさはない。そして残念ながら物語はかなりひどい。
ティラノサウルスより大きなスピノサウルスが今回の目玉として出てくるが、研究によると肉食と言っても魚を食べていたらしく、ちょっとくらい大きいからといって命の危険を冒してティラノサウルスに挑みかかっていくかと言われれば疑問がある。現代においても大型肉食動物が餌をかけて相手を倒すまで命懸けで戦うことはまれである。
たくさんあるラプトルの卵をたった二つ盗んだ人間を群れが追いかけてくるが、その他の残された卵を危険にさらしていいのかと思うとこれも不自然。その後の彼らの人間に対する対応も、人間を襲えるのに襲わず卵を取り返すとさっさと引き上げていく。そのやり方は、恐竜というよりもまるでどこかの未開の地に住んでいる人間のよう。だいたい盗まれた卵をしつこく野生動物が追いかけてくるなんて話を自然界で聞いたことがない。
そしてとどめが新しい世界を目指して飛んでいくプテラノドン。おいおい、いいのか、そんな笑顔で彼らが島を離れて飛んでいくのを見送っても。さっきまで彼らに襲われていたばかりだろうし、どこかで繁殖をして人間を襲いだすかもしれないのに放っておく気か。
このようなあまりのずさんな物語にはかなり呆れた。物語を盛り上げるためにはどんな無理でも恐竜にさせてしまおうというその真っ直ぐな心意気に、製作者の人使いならぬ恐竜使いの荒さを感じた。
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