「旧作よりも分かりやすい感じだが」犬神家の一族 parsifal3745さんの映画レビュー(感想・評価)
旧作よりも分かりやすい感じだが
旧作のおどろおどろしい感じが何とも陰鬱で、犬神佐兵衛の血がこの連続殺人に導いた感が怖かったイメージが残っている。それに比べると、全体的に画面が明るく、おどろおどろしい感じが少なくなっていた。松子役高峰美枝子の旧家然として佇まいの方が、この作品には合っていた。松嶋菜々子の珠世役もちょっと現代的な顔立ちすぎて、昔の物語には合わないかな。
ただ、大筋を覚えているせいもあるが、リメイク版の方がストーリーがわかりやすく整理されていたような気がする。それにしても、金田一の石坂がふけていないのにびっくりした。最初の弁護士が、毒殺されるのだが、あの時点で殺人が行われるのは、ちょっとわからなかった。どんな遺言書なのかわからない状態で、松子が顧問弁護士を殺すだろうか?細かく見ると、かなり殺人に都合がよい偶然が用いられていて、それが宿命であり、佐兵衛の呪いとも受け取れる。松子が最初に殺人をした時、佐清と静馬が黙って助けようとせずに黙って見過ごしたり、二人目の殺人では、琴の練習の合間と佐智が戻ってきた時が偶然一致したりと。旧作では、どうなっていたか忘れているが、少々違和感を感じた。
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