ひねくれ者が大喜びするヤツね、あ、私のことね。
大嵐の夜、一人の女性が大けがをしてモーテルに運ばれてくる。原因は交通事故。
しかし嵐による洪水や電話線の破断でモーテル付近のエリアは陸の孤島となる。
その事故はある女性が車から落としたハイヒールを踏んだことから始まった。
ここから次々にそのモーテルに泊まらざるを得なくなった人がやってくる。
事故に遭った女性とその夫、息子の三人、女性を轢いた運転手エドと雇い主の女優、ハイヒールを落とした張本人の娼婦、エドが病院を探そうと飛び出した先で出会った一組の若いカップル、そしてモーテルの従業員。
そこに、囚人を護送中の警官が動けなくなったとモーテルにやってくる。
それぞれ全く別の目的で泊っている10人の一人が何者かに殺されることでモーテルはパニックになる。
観始めて登場人物がそれぞれ微妙な関係性を持ちながらモーテルに集まってくる流れはテンポもよくて、また時間軸を前後させつつ収束していくなかなか鮮やかな展開。
こりゃー時系列いじりながら見せてく感じのやつね、と思うとここからサスペンスだかホラーだかちょっと掴めない展開。
セリフの端々にサスペンス要素を混ぜてきたかと思うと、なんだか寒いわ…とかホラーなのか?なんか出てくるのか?と怪しむところもあり、なかなかジャンルの的を絞らせない。
また唐突に一つの裁判が挿入されてきたりと物語の全体像は結構終盤になるまで把握しきれない。
もちろん、タイトルだったり物語のあちこちで出てくるヒントを注意深く辿っていけば、これじゃね?という方向性は見出すことはできそう。
ところが、ところがなのよ!
あるカラクリが分かったところで、ほーあのシーンはああいう意味やったのか、とかこのシーンは思わせぶりやけど全然意味なかったな、とか答え合わせが始まって、はいはい、なるほどね、よくできましたーとなったその刹那に!
…そりゃないよ(良い意味で)。
もう脚本ほぼ出来上がったところで無理くり後付けしなんちゃうかと疑うレベルのちゃぶ台返しだけど、ええのよこれで。ただある観点からはクレームつきそうやけど。
私は目いっぱいその最後の大捻りを満喫しました。
柔道金メダリストの角田さんに思いっきり巴投げでぶん投げられて、仰向けに天井見ながら、いやーぶん投げられたなー!っていう爽快感にあこがれる人にはお勧めの一本。
思い切りぶん投げられてください。