「とにかく、味わい深く、魅せられる映画です。」武士の一分(いちぶん) minoo-kamuroさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく、味わい深く、魅せられる映画です。
[ワガシネマ]
金曜日の夜、
ゆっくり自宅で映画を観ながら、
おいしい和菓子を食べる・・・いかがですか?
「ワガシネマ」、
今回ご紹介するのは、
映画「武士の一分」。
2006年公開された日本映画です。
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藩主の毒見役を務める侍、三村新之丞は、毒見の際に食べた貝の毒に
職場で倒れ、意識不明となる。
やがて、目は覚めるものの、自身の体の異変に気付く。目が見えなく
なっているのだ。
妻・加世と慎ましくも幸せに暮らしていた矢先のこと。
新之丞の絶望は激しいものがあった。
しかし、加世の支えもあり、光の無い世界で生きていくことを、
決意する。
が、そんなある日、加世と番頭・島田藤弥との不貞を知ってしまう。
島田に体を預けることを引き換えに家禄を保ってきたことを
知った新之丞は加世を離縁する。
その後、実は島田は加世を弄ぶために家禄を口実に加世を騙したことを知り、
島田に対し、自らの「武士の一分」を賭けて果たし合いに挑む。
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配役がとても素晴らしい・・・その一言に尽きる映画です。
新之丞の父の代から務める中間を演じる笹野高史さんとのコンビは、
最近放映されているセコムのCMでも見ることができます。
映画は、特に派手な格闘シーンなどがないまま、最後まで
進みます。
静かに魅せる、日本映画らしい映画だと感じました。山田洋次監督の
映画はとても素晴らしい。
厳しい武士の世界を感じることができるシーンが多々あります。
主人公の新之丞の仕事内容が毒見というのもすごいものがあります。
新之丞の失明の原因となる食事の際の不始末の責を取り、
上司である樋口作之助(小林稔侍)が切腹するシーンも、
「武士の一分」たるものなのかと感じます。
そして、加世を騙した島田藤弥にも、シーンこそないものの、
「武士の一分」たる行動が最後に。
何か、今の時代に足りないものが、武士社会の一角を描くこの映画には、
あるような気がしました。