シャイニングのレビュー・感想・評価
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追われる夢
人物を追ってホテルや雪の迷路内を駆け巡る映像が印象に残った。
特にステディカム逆さ吊りで撮影されたダニーボーイの低い視点移動が良かった。メイキングでの言葉通り、ホテルの広さや迫り来る壁が魅力的な映像になっている。そこから角を曲がったら、何かいるんじゃないかという恐怖で惹き付けられる。
キャストの演技も非常に魅力的。ジャックの変貌は傑作で、序盤のシーンでは、あの有名でDVDパッケージになっていった「お客さんだよ!」の男と同一人物だとわからなかった。
ダニーも、トニーとの対話シーンやレッドラム...レッドラム...レッドラム!のシーンは天才的に感じた。
総合的に謎が多く残されたまま終わっていて、何度も観たくなる映画だった。
これこそホラー
本当に良いホラー映画って夜に見て怖くて、昼に見たらそれほど怖くないと思っているのですが、この映画を深夜の一時に部屋を真っ暗にして鑑賞した結果、まあ見事に隠し味が効いたこと。狂気を感じる様々なシーンがとても良かった。また、ジャックニコルソンの演技には釘付け。シュールを貫くキューブリック監督作品の大きなパズルピース。
REDRUM
久々に怖かったです。後半はそこまで怖くはなかったけど、前半は冷や汗かくほど素晴らしかったです!
冷や汗かきっぱなしですよ。恐怖の6割が音楽ですね。ヤバイです。何もないところでも音楽がガンガン鳴ります。おかげで落ち着いていられない。
そしてジャック・ニコルソンの名演技にも注目です。
是非ともオススメします!ちなみにイヤホンつけながら観るのが良いですよ!恐怖が倍増します!
原作無視だけどアメリカンホラーの金字塔的傑作
勝手にスティーヴン・キング特集その17!
今回は言わずと知れたホラー映画の
金字塔的傑作『シャイニング』を紹介。
監督はこれまた言わずと知れた天才S・キューブリック。
まあ僕が本作を初めて観て衝撃を受けたのは小学生の頃で、
当時は彼の名前も知らなかったのだが。
あらすじ。
舞台はコロラドの山深くにあるホテル・オーバールック。
高校で文学を教える傍ら戯曲を執筆しているジャックは、
そのホテルがシーズンオフになる冬の約3ヶ月間、設備保守
の為の管理人として妻子と共にホテルに住み込む事となる。
静かな環境で執筆に打ち込めると意気込むジャックだが、
ホテルのオーナーはジャックにある事を告げる。
昨年の管理人は冬の間に気が狂い、家族を皆殺しに
した挙げ句、自身も猟銃自殺を遂げたというのだ。
自分は大丈夫とタカを括るジャック。
しかし、ジャックの幼い1人息子ダニーは、
ホテルに潜む数々の忌まわしい存在に気付いていた。
果たしてジャックは恐怖と狂気に少しずつ囚われていき――
...
この映画について思い出そうとすると、
一気に多くの場面がフラッシュバックされてくる。
三輪車、双子の少女、バーテンダー・ロイド、237号室、
笑う老婆、レッドラム、“仕事ばかりで遊ばない”、
消火斧、ウェンディの絶叫、犬男、「盛会じゃね」、
血の洪水、生け垣迷路、凍死体、集合写真――
ひとつひとつの画が脳髄に焼き付けられているかのようだ。
赤と白の映える強烈な色彩、シンメトリー(対称)の多用、
ステディカム(手ぶれ補正カメラ)の画期的導入、
人物から常に一定の距離を置き続けるカメラ、
それらの技法で作り出された映像は、恐ろしく体温が低い。
まるで顕微鏡越しに見ているかのように寒々として冷徹だ。
映画の舞台が雪山であることも相俟って、
観ているこっちまで凍えそうなほどの低体温映像。
そして忘れられないのが、名優J・ニコルソンの怪演!
「Here's Johnny(おこんばんわ)!」の名台詞&名翻訳は勿論、
『仕事ばかりで遊ばない』のシーンや、雪の中を駆け回る
妻子を見つめる眼など、本気でヤバい人にしか見えない(爆)。
息子ダニーを演じたダニー・ロイドも凄い。
当時6歳だった彼は愛らしいことこの上ないが、
その演技は神懸かっている。深い思考を感じさせる
瞳も印象的だし、“トニー”登場時の演技は怖い怖い。
あと主人公の妻ウェンディを演じたシェリー・デュバル。
……この映画で最も怖いのは彼女の顔という説もある。
...
ここで原作との差異について触れておく。
以前、ここ映画.comにて、キング本人が映画版
『シャイニング』を批判したという記事が掲載
されていた。その内容をザックリまとめると……
――キューブリックの『シャイニング』には
原作で目指していた人間の暖かみが感じられず、
その視線はまるで蟻を観察するかのように冷たい。
妻ウェンディの描き方も極めて女性蔑視的である――
同感である。
同感であるのだが、『映画版は映画版で
スゲー面白い』というのが僕の感想(笑)。
確かにウェンディの役回りはあまりにステレオタイプだし、
原作の重要人物があまりにアッサリした死を迎えるのも残念。
原作の怒涛のクライマックスと、温かな結末も僕は大好きだ。
だが 、徹頭徹尾冷徹な視線で描かれた映画版も、
恐怖映画として素晴らしい出来だと思う。
...
唯一僕が欠点と感じたのはテンポがややまったり
して感じられる点だが、これは昨今のスピーディな
映画に慣れた向きの意見かしら。
恐るべき忍耐強さでジリジリと上がり続け、
クライマックスで遂に爆発するそのテンション。
強烈な演技、鮮烈な映像、耳にこびりつく音楽、
全てが極めて高いレベルで統制されている。
総じて、完璧に極めて近いホラー映画だと思う。
〈了〉 ※2014.10初投稿
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余談:
ラストで写し出される写真の解釈について
書きたかったが、ネタバレ必至の内容なので自粛。
いちおうキング原作の布教活動(笑)が目的なので、
ネタバレ無しで書いている……つもり。
まあ『ROOM237』というドキュメンタリー映画では
「『シャイニング』は虐殺の歴史を振り返る映画だ」とか
「監督がアポロの月面着陸映像を捏造した事の告白だ!」
などのブッ飛び解釈を披露する方々もいたので、
それに比べりゃ僕の解釈なんてニコルソンの頭髪
並みにペラペラである。(←ニコルソンに謝れ)
上映後30年経ってもまだこれだけ人の好奇心を
掻き立てるとは、キューブリック恐るべし。
名作は名作。やっぱ映画って金かけなくても面白い物は面白い。
なんだろ?キューブリック独特の音楽とジャックの演技で映画の恐怖が倍増です。
内容がシンプルでも楽しめた。いかに最近のホラーが雑音でごまかされてるか分かる。
ただ妻役の女優がオーバーリアクションの演技がちとイラつきました。
TV版 Sキングの気持ち
久し振りに再度レンタル、怖い、確かに怖いです。キューブリック版でよく言われる点はまず何と言ってもJ.ニコルソンの存在感。この人と同じ空気を放てる役者さんは今後もそうは居ないでしょう。まさにオンリーワンな方です。その他 目にするコメント、レビュー等と言えば、映像美 芸術性 この辺りでしょうか。その通りだとは思いますが残念ながら個人的には星二つです。
一方キング版、こちらは何と言いますか この作品の第一優先事項はS.キューブリック氏への当てつけなのではないかと思える程の理由 理由 理由(笑)とにかく描写が細かいです。
「言葉の力」「心の力」を愛するであろうキング氏にしてみれば、「視覚」で恐怖を煽るキューブリック版は全くの別物なのでしょう。二作品とも同じ道筋を進んでいるにも関わらず、見事なまでに真逆の見せ方をしてしまいます。キング版は星三つと言った所でしょうか。
自己主張も大事だけどお互いに尊重し合えていればそれこそ「最恐」な作品になった のでは。それ程に原作は素晴らしい。とは言ってもアーティスト二人が融合なんて事自体、無理な話しなんですかね。
余談ですがキング版、ダニー役の男の子の天然アヒル口、あれはたまらなく可愛かった(笑)
美しくて恐い、目が離せない
冬季は雪で閉鎖されるホテルの管理人一家が見舞われる恐怖の体験。
スタンリー・キューブリック監督1980年の作品です。
美しくて恐い、恐いけど美しくて、目が離せない。
魅入られたように繰り返し観てしまいました。スクリーンで観たかった!
閉ざされたエレガントなホテルが、管理人一家の一人一人が、恐いです。
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