「最後になんかブッ込んで来ましたね」シャイニング Tetさんの映画レビュー(感想・評価)
最後になんかブッ込んで来ましたね
有名な映画なので当然作品の存在も、ジャックニコルソンの象徴的な顔面ショットも知ってましたが、公開から40年にして初鑑賞。
有名だけど昔の映画って、現在進行形の年齢だったり時代背景で面白く無かったりするんだよなぁ、と正直舐めてました。
が、オープニングの重厚な音楽で一気に引き込まれ、
そこから終始音楽が、不快と言うか不気味な世界観を引っ張って行きます。
それに相まって、子役ダニーの三輪車を駆るシーンの印象的な床の柄とカメラワーク。
何も起きないのに、なんか怖い。
2人の女児はただシンメタリーなだけで怖い。
ルーム237に何かありそう、怖い。
奥様のクッキリ引っ込んだ大きな二重瞼と歯並びが、登場した瞬間から怖い。
そして勿論、ジャックニコルソンのフツーな訳が無い顔(既にジョーカーの要素入ってる)が怖い…
英語だから正解には判断出来ないけど、子役のダニーの演技の上手さも作品を引き締めます。
「冬季管理するホテルがインディアンの墓地の跡地だった」「過去に冬季の管理人が凄惨な事件を起こした」
そんな曰く付きのホテルの管理人に就任し、更に雪により孤立した閉鎖空間。精神が異常をきたすのも分かります。自分ならこの仕事無理だなぁ。
主人公ってそもそも物書きで生計立ててたの?
何処から何処までが妄想なの?
幽霊?
理解できない不気味さがジワります。
嗚呼それなのに、象徴的な顔面ショット以降は、ありがちな追いかけっこ…。
足跡を消すダニーの機転には拍手を送りたいですけど、前半のモヤモヤザワザワした間接的な恐怖感皆無…
そりゃダニー助かるでしょ〜。
自分的にインディアン墓地跡地の白人へ呪いでも、閉鎖的な空間で発狂した男の怨念でも理由付けはどうでもよく、「理解出来ない狂気空間があるんだよ」って解釈で、尻窄みだけど何となく有りだなって終わったんです。
そしたら、最後に1921年撮影の主人公に似た人物が映った写真をブッ込んで来た。
何なの?ホテル設立年でも無いし、
主人公に似た人物はホテルの前オーナー?
本人なの?
生まれ代わりがまた呪いのホテルに導かれたの?
そもそも少年ダニーの能力(それがシャイニング?)も中途半端だし、
なんかモヤモヤした余韻を残す終わり方、嫌いじゃないです。