「絶叫だけがホラー?」シャイニング 伊織さんの映画レビュー(感想・評価)
絶叫だけがホラー?
違います。
ぞっとする怖さ。
得体の知れない不気味さと
止めどなく襲ってくる不安。
それも立派なホラーであり、それらの演出が巧みだからこそ、シャイニングは最高のホラー映画と評されるのでしょう。
お化けやグロシーンはほとんど無いのに、主人公のちょっとした言い回しや、だだっ広い洋館の描写、不自然な"間"。
そんな小さな演出を巧みに利用しながら、じわじわと観ている者に根源的な不安を感じさせる。
"何かわからないけどヤバい。"
"何となく怖い。"
そんな漠然とした不安・恐怖こそ人間の感じる"リアルなホラー"ではないでしょうか。
そしてこのリアルなホラーを創り出すのが難しい。
この怖さは貞子が井戸から出てくるだけでは決して味わえませんよ。
ジャック・ニコルソンの演技も素晴らしかったです。彼ほど「不敵な笑み」を不敵に出せる俳優は他にいないかもしれません。
シャイニングはじわ怖の最高峰ですね。
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