「何故離婚に至ったのか?」仄暗い水の底から うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)
何故離婚に至ったのか?
その説明がなくて、離婚協議中の展開。
明らかに不安定な黒木瞳演ずる淑美とその娘郁子 の新生活の酷さから始まる。
住み始める住宅も七階建ての大きさはあるものの、セットらしい汚ならしさ(笑)が素晴らしい。正直こんなマンション住みたくない(笑)
管理人の爺の胡散臭さ、徳井優の如何にも適当な不動産屋のセット…追い込まれた人でなきゃあんな所で住みたくないよね。
天井から垂れてくる汚い水、赤いカバン、行方不明の美津子ちゃん…とか気持ち悪いのだが、直接的ではないので、「なんか気味が悪いなぁ」程度である。
ストーリーも淑美の妄想や幻覚を見せられているのでは?と疑いながら見てしまう。
明らかに淑美の不安定感は統合失調症のソレだ。
子どもが出来るまで大手出版社で働いていたはずだが辞めている。その後不安定になり夫とは不和になったのではないかと思う。
統合失調症患者への理解がある時代ではない様子からも大揉めに揉めたのは想像出来る。
娘の郁子ちゃんも独語(独り言)が酷かったようだから、郁子ちゃんも何かあるのかもしれない…と。
だが、何でかよーわからん感情移入が発生して、淑美が美津子の仮の母になる…と言う訳のわからん展開に比べると他の事は些末な事である。
散々「ママは郁子といっしょ」とか言っておきながら、幼稚園のお迎えは遅刻三昧、肝心な時は郁子から目を離し、果てはロクに知りもしない亡霊幼児に取り憑かれて郁子から離れていく。
ラストも唐突に10年経過し、郁子も高校生になっているのに…ボロボロのマンションに入り込んで「ママずっとここに住んでたんだね?」とか言ってる。
淑美だけじゃなくて郁子も妄想の世界にいきてるのか?となってしまった。
正直、とんでも映画の類いである。
あまり、他人に勧めようとは思わない映画であった。