「刺さらなくて残念。。」七人の侍 リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
刺さらなくて残念。。
傑作と言われている作品だったので、せっかくのリバイバル上映だから見てみよう、と思いましたが。。
セリフが聞き取りづらいのは、考察動画などを見たら監督の考えでリアリティを追求した結果、農民がそんなにクリアに話すはずない、ということから日本語なのに聞き取りづらく、日本語字幕が欲しい感じになったそうなんですが。。
やっぱり登場人物が何を話してるのかよく分からない部分があるというのは視聴のストレスなので、私には合わなかったです。
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そして場面場面での説明が足らない。
例えば農民の中で、女房の話になると取り乱し、さらに敵の陣営にいる女性について「あれは俺の女房なんだ!」的な発言をしていたように思いますが、
かつての襲撃でさらわれてしまったのか?例えばそうなら何故味方の侍達に事情を言わなかったのか?敵陣営にいる女性なら戦いに巻き込まれて怪我や命の危険があるんだから「こういう女性がいたら俺のさらわれた女房だから先に助け出してからの攻撃にしてもらいたい」とか説明しなかったのが不自然に思いました。
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あと村の娘と恋仲の感じになった味方の若侍。幻滅しました。身分制度のある時代とはいえ、彼女が父親に怒られていた時、きちんと名乗り出もしない。すぐそこに居るのに彼女を庇って父親から守ることもせず、「生半可な、遊びの気持ちなどではありません!」とかを宣言するわけでもなく、ただうつむいて佇んでるだけ?最低。。
そりゃ今すぐ正妻として娶るのは無理かもしれないけどなんかこう、もうちょっと何かちゃんと自分の気持ちを表明出来ないの?情けない。。!
で、映画的にもこの2人の行く末を何もフォローすることもなく、
ただ彼女は傷ついて彼に目も合わせず、彼も声をかけることもなく(せめて元気でとか、また会いに来るとかぐらい言ってくれればまだしもなーんにも台詞すら無く。。)
ボーっと彼女を見つめて映画も終わり。
え?モヤモヤしすぎで、村を40騎もの野良侍達?から守ったことも何もかも全部チャラになってしまいました。。
時代背景?男尊女卑が普通の時代だったから?身分が違うから遊びでしかないの?え?何なの???と疑問ばかり。
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あと。。三船敏郎さん、賑やかしでなんかぶっきらぼうなだけであまり主役級の存在感がなく。。
作戦も1騎ずつ村に入れて1人ずつ倒そう、というのは最初はいいけどいつまでもこの侵入の仕方に何故敵はいつまでも乗ってくれるのか?騎馬がもっと密集してくるなり。。敵側の作戦会議とかの場面が無いのでなんか敵の考えが分からず、作品に没入出来ませんでした。
最初に2〜3人が倒されたら、いったん作戦立て直さないの?普通。。こういうものなんだろうか。
七人の侍のリーダー格のお侍さんは思慮深いし村の防衛作戦も立てて頼もしいし人望もあるキャラクターで良かったけど、映画そのものとしては驚くほど刺さらなくてとても残念でした。
