劇場公開日 1954年4月26日

「日本映画を代表する名作」七人の侍 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本映画を代表する名作

2022年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日本を代表する黒澤明監督の名作中の名作。

海外にも轟き、多くの映画そして監督に影響を与えたと聞きます。
ある意味で「七人の侍」は三船敏朗のコメディアン振りに見惚れる映画でもありました。
三船敏朗って本当に、米と味噌汁と塩ジャケをを食べて育ったんでしょうか?
演技がエネルギッシュでバタ臭い・・・ステーキとオムレツ食べてたと思うけど・・・どうでしょうね。
「七人の侍」でも一人ではしゃいで走り回り、褌一丁で川に潜って素手で魚を取ってました。
生でむしゃぶりつくのか?と見てると焚き火で焼いてて一安心(笑)
駄馬を乗り回すかと思えば、振り落とされて馬を必死で追って走って行く。
(落馬シーンは、端折ってました。至宝三船を怪我させては大変、笑)
ともかく人間臭い。
農民や仲間が死ぬと落ち込んで、寝食を忘れて嘆きます。
大騒ぎして、はしゃいで、大酒喰らって、ボコっと殴られたり、ぜんぜん三枚目です。
素敵さも美貌も封印ですよ、この映画では。
でも並の身体能力ではないです。
演技の驚くほどの多様性・・・菊千代(三船)と名乗る農民上がりの侍は、
馬小屋だろうと気にも留めずに爆睡します。
菊千代の名前だって借り物!

野武士との戦いは二日二晩続き、敵も味方もヘトヘトになり、野武士たちはほぼ兵糧攻め。
野武士たちにとっても、こんなに手こずった経験はない筈。
そしてラストの雨の中の最終決着へと雪崩れ込んで行きます。
馬の疾走、いななき、雪崩れ落ち落馬する野武士たち。
迫力の映像でした・・・スペクタル時代劇です。
結論的には、農民は底力がある。
農民は虐げられることに慣れている。
だから彼らは打たれ強いのです。

長い歴史の中で、戦時にヘコタレないのは土を耕す農民。
米を作り野菜を栽培する農民。
土と共に生きること・・・侍には敵わないのです。
志村喬の言葉『今度も負け戦だったなあ、勝ったのは農民さ!!」
それが正解でいい。

過去鑑賞

琥珀糖
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2024年2月23日

コメントありがとうございます。
DVDまで購入されていたとは、ガチですね!
でも手元に置きたくなる気持ち、わかります。
そして、米を食べて育ったのか、三船について感じる疑問、納得です。
日本人離れしてますよね。
ふんどしに甲冑がハマってました!

ぷにゃぷにゃ
かせさんさんのコメント
2023年6月6日

初見の時は農民の話、次に見直したら侍の話に見える、黒澤作品らしい奥行きに感動しました。

かせさん
シネマディクトさんのコメント
2023年4月29日

琥珀糖さん、いつも怒涛の共感とコメントありがとうございます。琥珀糖さんのレビューを読んで、三船敏郎の名演を思い出し、ウルッときました。騒いで、馬鹿やって、孤児を抱いて泣いて、それなのにあっさりと討ち死にしてしまうのでビックリしました。レビューを読んで,久々にDVDを引っ張り出して観たくなりました。

シネマディクト
CBさんのコメント
2023年4月29日

> 三船敏朗って本当に、米と味噌汁と塩ジャケをを食べて育ったんでしょうか?
演技がエネルギッシュでバタ臭い・・・ステーキとオムレツ食べてたと思うけど・・・どうでしょうね。

同感、同感。どう見ても、肉食ってる人のエネルギッシュさですよね。「バタ臭い」という言葉がこんなに似合う演技、なかなかないっスよね。

CB
iwaozさんのコメント
2022年11月15日

素晴らしいコメント!同感です!
(^。^)世界の黒澤!万歳!!

iwaoz
みかずきさんのコメント
2022年7月27日

琥珀糖さん
みかずきです

名作ですね。
時代劇で一番好きな作品です。
黒澤明監督作品のなかで一番好きな作品です。

日本では珍しく、一人ではなく複数人で書いた脚本なので、
野武士と農民の攻防戦に迫力がありました。
時代劇では珍しく農民の逞しさ、強かさも描いていています。
仰るような、ラストの名セリフに繋がっています。

三船敏郎の画面には収まり切れないエネルギッシュな演技に
大器の片鱗を感じました。

最高の時代劇でした。

では、また共感作で。

-以上-

みかずき