「映画館で観てよかった映画No.1」七人の侍 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で観てよかった映画No.1
鑑賞3回目!
月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとして
1回目に観た時は歴史的名作の迫力に圧倒されて
感想を文字に残す余裕がありませんでした。
2回目にやっと世界が認める娯楽作品の
楽しさ面白さを私の言葉で文字に残せるところまで来ました。
そして3回目に七人の侍
一人一人の魅力的な人物描写に魅了され
観終わった後、涙が出ました〜〜
私もあの貧しい村の一人になって
現在ならさしずめ「理想の上司No.1」の
志村喬演じる勘兵衛さんや稲葉義男演じる五郎兵衛さんに
もっと色々教えてもらいたかった!
三船敏郎演じる破天荒な菊千代や、
スッとぼけていながら優しさの滲み出る千秋実の平八さんや
加東大介演じる戦慣れした七郎次さんと一緒にお酒が飲みたかった!
宮口精二が演じたクールな久蔵さんの見事な剣の腕前に
木村功演じる若侍、勝四郎と一緒にもっと魅了されたかった!
あの世界に行きたい!
あの七人と会いたい!
これが本当に惚れると言うことやね〜〜
しっかりキャラの立った七人の侍たち
だからこそ、現在でもこんなに心に響くのでしょうね〜
以下は
2回目の2018年7月9日 鑑賞時の感想です。
この映画を「別に普通」と言う人もいるが、そりゃそうだ!
この映画があったから、その後の殆どの娯楽アクションものが
この映画をいわば真似してる訳で〜
「普通」を最初にを創り出したのがこの映画と言う事。
台詞が解らないと言う人もいる。そりゃそうだ!
そもそも50年前の映画なのだから50年も過ぎれば言葉も変わっちゃうし
日本語スキルが劣化した私らに合わせた台詞は一言も無い。
それなのに地球上で1億強しか話さない原語の映画が
世界で同時多発的に色んな国の映画人から賞賛されている訳で、
要するに少々セリフが解らなくとも
真面目に観れば、ちゃんと解るように作られてるんだよ!
名作名作と構えずに気楽に観たら良い!
面白い娯楽作品なんだから〜!
福田里香氏の「フード理論」の最高峰は「七人の侍」である!
と言う評論を耳にして、改めてこの作品を観ると
食べる事=生きる事の重さが胸に迫って来る。
作ってる自分たちでさえ一粒も口に出来ない一番大事な米を
差し出すしかない農民と、そんな農民の困窮を見兼ねて
出世にも俸禄にもならない仕事を引き受けた侍達の矜持と、
意義ある死に場所を求める気持が合致して話が進んで行く。
侍の話だけでなく、農民たちの困窮しながらも
実はしたたかに生き抜く狡猾さも描かれている。
死にかけの落ち武者を竹槍で追い回して奪った槍や兜〜
決戦前夜、いつのまにやら始まった酒盛りや
若い性の暴走などは誰にも止められない〜
生きるとは、綺麗事では無く、時には人を欺いたり
文字通り命がけなのだと、観るものに伝わってくる。
実は農民の出である三角じるしの菊千代が目指すものは
「本当の侍」になること。
だから勘兵衛に「本当の侍」の理想を見てついて来たのであり
久蔵の振る舞いを褒め称える勝四郎の「本当の侍」の言葉に
触発されて、逆に「本当の侍」にあるまじき行為を行なってしまう。
その反省が、最後は彼を「本当の侍」にしたのだと思う。
今回改めてやっぱ三船敏郎って凄いな〜〜
圧倒的な存在感と、大きな動き、豊かな表情!
そして画面全体を照らし出す、溢れる様な愛嬌!!
彼の愛嬌があればこそこの映画が単に重い話で終らず、
メリハリのある活劇になってるんでしょうね。
こんな役者は今のハリウッドを含めてもちょっと居ない気がする。
1回目が2016.10.19日でした。
今回2度目だけど、2度目だからこそ
前回見落としていた部分を再確認しました。
本当に中身が詰まってます。
@もう一度観るなら?
「定期的に映画館で!(笑)」