グリーン・デスティニーのレビュー・感想・評価
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自分に正直に生きる
英語じゃないのにアカデミー賞を受賞するってすごいことよね。どんなもんじゃい! と安定の上から目線で鑑賞。
中国映画やホワチャー系映画はほとんど観ない。ジャッキー・チェンとブルース・リーは夫の影響でいくつか観たことがあるけどそのくらい。
そんな私はとりあえず今回、人が空を飛ぶのはけっこう普通のことなのだということを学んだ・・・
最初こそ「飛んでんじゃん!」って有り体に突っ込みたくなったけど、皆さん重ね重ね普通にお飛びになっているので、途中から逆にこれが普通なのだと思うことにした。今更観ているドラマ「HEROES」でフライング担当の方たちよりも滑らかでゆったりとした飛び方ですね。建物や山肌を舐めるように飛ぶ、というか、舞う、というか浮き続けている感じ。浮遊。
広大な自然や歴史ある建造物など景色がとにかく綺麗で、もし3Dで観ていたらアバター級の感動があったと思う。タブレットの小さい画面で観ちゃったよ。勿体無かったなぁー。レンタルでもオンデマンドでも、是非大きな画面で迫力を感じて欲しい。←制作者か?
ユーがイェンに、「自分に正直に生きなさい」と諭すシーンがラストにあった。でもユーは、死んだ恋人への配慮からリーへの愛をずっとひた隠しにしていた。リーも同じく、ユーへの気持ちに蓋をしてきた。一見矛盾しているような台詞に込められたユーの真意は何だったんだろう。
文字通り「自分に正直に生きる」なら、愛してるんだから一緒になる! となるのだろうけど、死んだ恋人はリーの親友でもあり、仁義があるからそうもいかない。正直に、っていうのは、必ずしも今の感情の通りに動くということではないのかな。通さなくてはいけない道理は通しつつ、その上で自分の芯となる想いは貫きなさいっていうことかなぁ〜...言葉にしようとすると難しい。
同時進行で「クレイマー、クレイマー(1980)」を観た。メリル・ストリープ扮する妻が子供と夫を置いてある日突然家を出ちゃうんだけど、彼女とかはきっと文字通り自分に正直に生きている。嫌だと思ったら嫌! もう知らない! って。その姿は潔いし、心のどこかでちょっと羨ましく感じたりもする。
でも18ヶ月後に舞い戻ってきて、子供の親権を主張したり子供を愛してると涙ながらに訴えたりする姿には、それってなんか違うよね感を持たざるを得ない。一貫性がないからかな。筋が通らない。都合が良すぎるような気がしてしまう。
ユーもメリル・ストリープも、きっと自分に正直に生きようとしているんだろうけど、なんだか対照的だった。私はユーの生き方が格好いいなと思う。筋を通すのって難しいけど、通そうとしている人には説得力がある。
良い映画
二度目にしてようやく映画の内容がすんなり入ってきた気がする。
シナの清朝の武道を舞台にした恋愛・師弟関係・幸せなどの人生の悲哀を描く。
チャンバラシーンが多過ぎてアレだが、
最後のシーンにかけて、良さがわかった。
タイトルを原文の漢語や英語にすべき。この完全誤訳タイトルは映画興業者、翻訳者の犯罪。原作の冒頭である。
美しく華麗で芸術的な動きと映像の魅了
総合85点 ( ストーリー:50点|キャスト:90点|演出:90点|ビジュアル:85点|音楽:85点 )
物語はよくわからない。昔ながらのありきたりな娯楽用の時代劇の話に、儚くて耽美な要素とあえて不思議さを付け加えただけのようなもの。多分それほどたいした意味はないし、雰囲気作りに一役買っている程度。
だがこの作品の魅力は別にある。それは芸術的な美の表現である。景色が建物が衣装が美術が音楽が美しく、そして美しい登場人物が美しく華麗に舞う。まるで完璧な古武道の型の華やかな演舞を観ているかのような陶酔感に浸される。格闘場面は非常によく訓練されており速さもあって感心する。ワイヤーで吊り下げる場面が多用されすぎているとは思ったが、それでも人の動きの美しさだけを追及したこの格闘場面の演出は素晴らしく、特に最後の近くで道場できれのある戦いはもっと観ていたいと思わせられた。そしてそれをやり遂げた二人の女優の頑張りは高く評価したい。「イーオン・フラックス」「LOVERS」も同じ系統の作品だが、本作品はそれよりも質が高い。
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