ゴーストワールドのレビュー・感想・評価
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愛おしすぎる青春のもがき
周りはダサいやつばっか。 あんな風にはなりなくない。 …ところで、私は何者になりたいんだろう。 認められたいし認められたくない。 大人になりたいけどなりたくない。 私たちが抱いていた(いまも抱いている?)感情がぎゅっと詰め込まれています。 苦しくて切なくて愛おしい一本。 イーニドがとっても魅力的。好き。
彷徨う青春
ああ見えてもイーニドはデリケートで移ろいやすい女の子だから興味本位で付き合い始めたシーモアとの関係の中でレベッカや家族との関係も含めて破綻していくプロセスが良かった。もう何処にも落ち着く先がないのだからバスに乗るしかなかったのね。レベッカが段々と引き立て役っぽくなってきたのが個人的には残念。それとbluesも。
PG12と思っていくと(別の意味で)きびしいか…。
今年117本目(合計1,209本目/今月(2024年3月度)35本目)。 (前の作品 「ブリックレイヤー」、次の作品「ロッタちゃんと赤いじてんしゃ」) 前から見に行きたかったのですが、行きたいなと思っている間に終わってしまったところ、シネマートさんが「卒業おめでとうキャンペーン」で放映されていたので行ってきました。 高校を卒業した後の2人のちょっとした時間を描く、あえてどれかに分類するとするならシスターフッド系に分類されえますが(「プリテンダーズ」など)、ジョークものという観点がかなり強いです。 このため、PG12という事情もあいまって「性的表現」についてストレートにすぎる表現が出てくるのがかなり人を選ぶかなといったところです(ここも「プリテンダーズ」に通じてしまう…)。 映画の趣旨からすれば、高校を卒業した17か18歳の(アメリカの教育制度は調べてもすぐにわからず)女性2人の考え方といえば、映画内で描かれるように2人いれば考え方も2人それぞれ違うし、またこの時期ならでは「こじらせ」もあれば「他人にたいするおせっかい、興味を持つこと」も起こり、それらを描いた映画と言えます。上記の「性的表現がやや厳しいか」という点もここから来ますが、ギリギリ何とか…といったところでしょうか。 シネマートさんで時々放映される、1950~70年くらいの「古き良き時代のアメリカを舞台にした作品」の枠であるようで、その観点でみると、かなり年齢層を「上側に」絞ってくるところもありますが(レコードが何だのといった話等、妙に細かいことを出してくるシーンがある)、字幕でわかりにくい点(なお、PG12なので、話されている内容と字幕が明確に合わない点がある。そこを翻訳して字幕にするとR15になりかねないという事情もあるものと思います)などはあっても、「そうしたブラックジョークものは気分を害することはあってもまぁ許せる派」であれば推せるかなといったところです。 なお、他の方も書かれていますが、エンディングロールはあるものの、最初に突如 The End と出てくるなど古い映画のテイストはあります(まぁ、そこがfineでもfinでも別に大したことはないけど)。ただ、それらすべてを見た後の「おまけシーン」があるので要注意です(30秒ほどですが、映画内で出てくるあるネタの「別観点ネタ」というもの)。 なお、不親切な点として「街の看板など翻訳が必要と思える点も翻訳がないためある程度の語学力が必要とされてしまう」点がありますが、英検2級程度あれば足りるかなといったところです(町の看板などが大半などで、それほど語彙レベルの高いものはでない)。 採点に関しては以下を気にしたものです。 ------------------------------------------------------------- (減点0.2/PG12でよいか疑問が残る) ※ レーティング一つ違いは0.2固定 この映画でPG12扱いでいいのかな…というった点は気になりました(字幕に出ないだけで、ちゃんと聞き取るとR15扱いされかねないようなことをちゃんと言っている)。 それはもちろんとして、前半から下ネタを連発してくるところがあり(後半になるとうってかわって出てこなくなるのも謎)、やや序盤が厳しいかなといったところです。 -------------------------------------------------------------
もう既に私は圏外なのでしょう
10代の頃に観たら、、、 イヤイヤその前に、ゴーストワールドってなんなのよ。 まあ、予告編も見ずに、タイトルとポスターだけで観たのも悪かったのか。 イニードとレベッカ、二人は良かったような気もするけど、 最近よく見てるYouTubeでの2chまとめに出てきそうな言動に引いちゃう。 ま、不思議な魅力に溢れた映画ってことで呑み込もう。 スカーレット・ヨハンソンに乾杯。
高校を卒業したばかりの女子二人、したいこともまだ定まらず、ふわふわ...
高校を卒業したばかりの女子二人、したいこともまだ定まらず、ふわふわして過ごした数か月の様子。 若い女子が気まぐれで周囲を振り回す様子、度を越して身勝手なぐらい。 どこまで共感するかはさておき。 一方は、就職し、徐々に社会的になりつつ、 あと一方は、いつまでもふわふわこじらせ。 振り回されるほう、というか より年齢の高いほうの方々、 収集家のおじさん、失恋した直後のご婦人、などには共感しました。 また、ダイナーの店内とか、ヴィンテージ収集家とか、いかにもなアメリカンなものは、魅力的にうつりました。 題目のゴーストが何を意味するものか、理解に至らずでした。 来るはずのない路線バス、どこに行ったんでしょうかね。
少女から大人の階段を登る女性と登れない女性
ソーラ・バーチ演じる主人公のイーニドとスカーレット・ヨハンソン演じるレベッカの 高校時代からの友情が、高校を卒業することで、だんだんと心が離れていってしまうのが 実にせつない。 イーニドもレベッカも人をくったような態度でトガった生き方をしていたけれど、 レベッカはカフェへの就職を機に、だんだんと社会と折り合いをつけながら生きていくようになった 一方で、イーニドはまわりにも素直になれないし、自分の率直な思いを出せないで、自分がよくわからない という状態から抜け出せないんですね。イーニドの心の機微というか葛藤というか、実に苦しいのが よくわかります。 ラストはイーニドが自分の居場所を探しに行くということなんだろうと私は解釈しましたが、 本人にとってはベストな選択だったと思います。 それから、ふたりのファッションが見どころでもありますね。 特にイーニドのファッションは毎シーン変化していて、すごくカワイイです。 実に深い作品でした。ファッション的な要素が大きいのかなと思っていたら 全然そうではなかったです。 彼女たちと同年代(10代後半から20代前半の)の女子に是非鑑賞いただきたいですね。 人生の道標にもなりそうな気がします。
思春期の屈折した感情と行動に共感
高校時代、家庭にいろいろありすぎて屈折した感情を抱えながら毎日過ごしてました。だから、彼女達の悪態やら皮肉やら行動が理解できるし、また懐かしくて笑ってばかりでした。シーモアみたいな大人にひかれるのも理解できる。分かったことを言う大人が大嫌いだったなあ。何言ってんだよ、分かりもしないくせに分かった風なことを言いやがって。いつも心のなかで悪態ついてたよ、僕は。嫌なガキだったなあ…、なんて一つも思ってないぞ。(実は今もついてんだよね悪態、いつまでたっても大人になれないねえ、僕は) 最後のシーンは何を意味しているのか。何かとの訣別なんだろうな。生への訣別?どう考えるかは人それぞれでいいんじゃないの。
1990年代が舞台でPOPな衣装と音楽も楽しめる
観たかったが中々観れなかった作品が劇場で観れる大チャンス。 サブカルこじらせギャルのイニードの態度と、親元脱却自立ギャルのレベッカの毒舌に思わず引いてしまう2人の行動が変な23年前の映画。 エレン・ペイジ演じた『JUNO / ジュノ』を思い出した。 他にも『NANA』の大崎ナナと小松奈々、『ベイビーわるきゅーれ』のちさと まひろ、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のエイミーとモリーも思いだす。 2001年公開当時にハイティーンだったであろう年齢層の方々が沢山観に来てた。 コミック原作で映画公開当時は新しい“低体温系”青春映画として大ヒットを記録した「カミング・オブ・エイジの伝説的エキセントリック傑作」だった。(らしい) 撮影当時、ソーラ・バーチ17才、スカーレット・ヨハンソン15才、スティーブ・ブシェミ42才。
共感はできなかったがラストは気になった
2001年に上映された当時には未見でしたが、何故か今になってリバイバル上映されているのと、若い頃のスカーレット・ヨハンソンが出演しているので、気になって観に行きました。 内容は好き嫌いが分かれそうな作品で、観る側の年齢や性別によって感じ方がかなり違うと思います。主人公と同年代の頃や公開当時に観ていたら感想も違っていたかも知れませんが、年寄りの私には共感できない部分が多かったですし、音楽やファッションなど映画全体の雰囲気もオシャレには思えませんでした。 という訳であまり楽しめる作品ではなかったのですが、ラストのバス停のシーンについては何を意味しているのか気になりました。新たな未来への旅立ちを意味しているのか?それとも死を意味しているのか?ただ、主人公が乗る前に老人が乗って行くシーンがあるので、私には死を選択したように見えましたが…
幽霊街
高校を卒業した女の子が自分の進路を見つけられない話。そんな2人の瑞々しい青春映画、かと思ってましたが瑞々しいというよりはものすごく斜めに世界を見ている女の子たちの話で、一方は斜めの傾きが真っ直ぐになっていき、もう一方は永遠に斜めのまま。斜めに立ち続けることしかできないのだけど、世間はそれを許してくれなくて、結局は彷徨うしかなくなるという、なんか本当に哀しく切ない気持ちになってしまいました。 なのでスッキリしないけどめちゃくちゃ印象に残るラストシーンでした。社会の被害者にも加害者にもなり得る思春期特有の感情が、絶妙な距離感で映像化されていると思います。
優柔不断な高校卒業したての二人の女の子
高校卒業したての女の子に惑わされる、女友達(高校卒業後二人で部屋借りる約束有り)や男親(娘が嫌いな女性と再婚予定)そして一番この女の子に振り回され躁鬱病にもなってしまった定職を持ちつつも趣味に没頭する中年男性 正に高校卒業後の僕の女性バージョンを見ているようで… しかし、バスの止まらないバス停🚏でずっと待っていたおじいさんはどこに…そしてあの女の子もどこに…創造を掻き立てられない僕には、自分が一番納得のいくバス停🚏で降りて欲しい
出会えてよかったいい映画
前日に『エマニエル婦人』を鑑賞し、youtubeでBLACKHOLEの「リバイバル映画特集」を見て復習。その際に取り上げられていたのでなんとなく気にはなっていた。 公開当時から今の今まで、まったく知らなかったが、別件で渋谷の街を歩いている際に旧渋谷TOEI、現Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下の前を通りかかった際に発見。時間も丁度良かったので、ふらっと入ってみたら、なんとまぁいい映画に出会えた。 出てくる登場人物がすべていとおしい。そして、すべてのキャラクターに自分自身を重ねることができた。作中「ゴーストワールド」という題名を直接想起させるセリフやシーンはなかったと記憶しているが、「ビッグマックとナイキで満足」な人ばかりの世界で、そこに抗う若者を丁寧に映し取っているように感じた。職業柄若者と接することが多いが、今の若者は自分たちを陽キャ、陰キャと簡単に分別し、陰キャの声は通らないと思い込んでいる節があるように思う。公開から22年がたった今、イーニドのような子たちはクーン・チキンのポスターを作品として提出することすらできなくなっているのかもしれない。そんな若者たちと向き合ってあげたくなる映画だった。 この映画が公開した当時、私は高校1年生だった。その時の僕がこの映画を見たら、どう思ったのだろう。38歳になるこの年でこの映画に出会えたことが、私の人生にとってとても幸せなことだと思っている。おそらくハリウッドでのストの影響か、新作があまり入らなくなった今、リバイバル映画の波にうまく乗って、いい旧作と出会いたいものだ。
最後は何なの
90年代初め量販店の家電・オーディオコーナーでアルバイトしていて、CDの音質について、あんな話を良くしていたなと、懐かしく思い出した。自分は周りと違うという根拠のない思いを持ちながら高校時代を送り、その時代が終わった時、自分が何者でもないと気付く。そんな話。共感はできないが、理解はできる。ただ最後のシーンは理解もできません。
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