「グラブザーのハンマーにかけて……」ギャラクシー・クエスト ヨックモックさんの映画レビュー(感想・評価)
グラブザーのハンマーにかけて……
なろう小説が如き飲み屋で思いついた一発ネタなのにも関わらず、なかなかSFらしい小ネタも盛り込みつつ、ただのパロディではないヒューマンドラマもほんのり自然に混ぜこまれてる。なかなか稀有な作品。
ドラえもんの映画で出てきそうなはちゃめちゃな設定は本当に大味だ。映画を参考に宇宙船の操作系統なんて作れるはずもなく、あんな岩と砂だらけの星の酸素濃度が地球と同じはずもなく、まぁなにはともあれツッコミどころは満載なのに「まぁこれパロディものなんで」と開き直ったような姿勢のせいで、不愉快感には感じない。これで僅かでも"きちんとしたSF作品ですよ感"を作品側の意図として醸し出してるとムカつくのかもしれないが。
パロディものだが元ネタがヤベぇマニア連中が巣食ってるスタートレックということで、パロながらも心憎いSFっぽい小ネタが多くて楽しい。味方のエイリアンも化け物なのに変身機能で誤魔化してたり、宇宙地雷だったり、ウランか何かの石が真球になってたりと、SF少年漫画のお約束っぽいものがハリウッドの予算で描かれてるのはなかなか夢のある話だ。
嘘という概念がないサーミアン星人が、健気に役者共を信じる姿はなんともいじらしい…。
「グラブザーのハンマーにかけて…ウォーマンの息子達にかけて、お前の仇はきっと取ってやる」のシーンは普通に泣ける。
キャラクターの死はこれくらいアッサリして名残惜しい方がいい。
その他細かい感想
・あのタコクリーチャーとセックスするのは流石にキツくねえか?
・ラストシーンの宇宙船突入、死傷者がそれなりにいるよね…
・スタートレックのキモオタってこんな感じなんだろうな
キモオタなりの有能さを認めて欲しいという妄想的自己顕示欲を刺激する設定はは
最近だとレディプレイヤーワンで見た。
・「裏返しになって爆発しました」