劇場公開日 2005年11月19日

フォー・ブラザーズ 狼たちの誓い : 映画評論・批評

2005年11月22日更新

2005年11月19日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

ヒップホップ世代はヒッピー世代の意志を継ぐ

60~70年代のヒッピー文化と80年代に勃興したヒップホップ文化は、スタイルこそ違え(ともにビートニクの流れにあることからみても)意外と共通項があるように思う。……ってなこととは無関係にみえる本作だが、実はふたつの文化の精神的な継続性を強く感じさせる物語になっているのが面白い。

いかにも本作は、人種の異なる養子の兄弟4人が陰謀によって殺された養母の復讐に立ち上がるというアクション篇だ。ところでこの養母(フィオラ・フラナガンがいい味出してる)、多くの孤児を救った街の良心という設定だが、貸金庫にウッドストックの半券を大事に保管しているような元ヒッピー。つまり彼女は、あの時代の理想=博愛主義の具現者であり、4人の“兄弟”の親密さも、この理想のもとに築かれているのだ。

そして彼女を葬るのは、労働者を搾取する闇の権力と組合の裏切り者、そして汚職警官。まさしくカウンター・カルチャーの敵そのものである。これに牙を剥くことでヒップホップ世代はヒッピー世代の意志を継ぐという、もと社会派(笑)シングルトン監督らしい反骨ではないか。あるいはまた、理由なき暴力性と拝金主義のイメージに傾きがちな現在のヒップホップを元の姿に戻そうとする、オールド・スクール世代の叫びでもあるだろう。

(ミルクマン斉藤)

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