エボリューション : 映画評論・批評
2001年10月15日更新
2001年11月3日より日本劇場ほか東宝洋画系にてロードショー
ドゥカブニーは身体にしみついた習性にあらがえなかった?!
もう「X-ファイル」はいやだ……なんてグチってたモルダーことデビッド・ドゥカブニーが念願のスクリーンに活躍の場を移し、しかも夏の大作で主演をつとめた。となると普通、「X-ファイル」とはちがう作品を予測するものだが、そうはいかなかった! 8年間もの長い間、身体にしみついた習性にはあらがえきれなかったのか、はたまた、それがジなのか、まるでモルダーのようなキャラクターで登場してしまったのだ。
そのキャラクターは、かつて政府機関に籍を置き、いまはエイリアンと戦うおまぬけな大学教授。「政府のやることは信じられない」みたいなセリフをはき、まるでセルフパロディ状態。もっというなら喋り方からぼーっとした表情までモルダーまんまで、そちらのファンは終始ニヤニヤ。本人は「パロディのつもりは毛頭ない」と言っておりますが。
そのドゥカブニーらがエイリアンと戦う姿はさしずめエイリアン・バスターズで、ライトマンは「ゴーストバスターズ」の夢再びというつもりでこれを作ったのだろうが、年のせいかはたまたセンスが古いのか、笑いがいまいち爆発しない。ビル・マーレーやダン・エイクロイド(今回特別出演)ら笑いに長けた個性派がいないことも敗因だと思う。
(渡辺麻紀)