劇場公開日 2003年10月18日

恋は邪魔者 : 映画評論・批評

2003年10月1日更新

2003年10月18日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

60年代ロマンティック・コメディに魂捧げてます

動機不明のまま極端な行動に突っ走る事件が多い昨今、行動のすべてに理由がキチンとあり、“夢”や“希望”がたらふく詰め込まれており、優雅でロマンティックで粋でラブリー、尚且つクールでキッチュ、そして目の滋養になりそうなほど入念に施された鮮やかな配色が美しい「恋は邪魔者」は、現代に蘇るミュージカルとして観ると、とてもふくよかな気分にさせてくれる作品だ。

その昔友人は「一番イイ場面になると突然主人公が踊ったり唄ったりするからミュージカルは嫌いだ」と最もなご意見を言ったが、突然唄い出すことで主人公を取り巻く環境が一気にバラ色(古い表現だけど)になったり、台詞や映像の叙情を更にUPさせるのがミュージカルの特権でもある。

ことに62年のニューヨークを舞台に新進作家とジャーナリストの恋の丁丁発止的シチュエーション劇である本作は、60年代ロマンティック・コメディに製作者一同、魂を捧げて作られているので、恋とセックスを描きながらも、直接的なセックス描写は皆無。その代わり創意工夫に満ちた華やかな珍場面が盛り沢山。最先端な発想で蘇えるアナログ世界がなんとも楽しい。そしてユアン・マクレガー、彼こそは遅れて来たミュージカルスターである!?

(大林千茱萸)

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