「日本映画の悪い癖」どろろ かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
日本映画の悪い癖
自ブログより抜粋で。
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原作を知らないんだが、多彩な要素を含んだ題材は面白そう。しかし映画としては、それを活かしきれていない印象。
とりあえず始まって早々、作品の世界観を説明するのに時間が掛かりすぎ。
百鬼丸(妻夫木聡)の生い立ちの説明がだらだらと続き、中盤辺りではどろろ(柴咲コウ)の過去が取って付けたように語られる。
ワイヤーアクションやCGを駆使したアクションシーンは見応えがあるけれど、なんだかゲーム画面を一方的に見させられているようで、高揚感もいまひとつ。
最後のまとめどころは悪くないと思うだけに基本的な部分での脚本の煮詰め不足がもったいない。
また、わざわざニュージーランドまで赴いて撮影された壮大な景色や独特な色彩など、映像的に目を見張る部分がなくはないのに、移動感が乏しく、作品世界の広がりが感じられない。
こぢんまりとした世界観だと良作を作れるが、壮大な世界観を描こうとするとたちまち安っぽくなる日本映画の悪い癖がここでも露呈していて、良質の題材ゆえに観ていて歯がゆくなる。
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