「『バリ・テキサス』を観ていると感慨もひとしお」アメリカ,家族のいる風景 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
『バリ・テキサス』を観ていると感慨もひとしお
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西部劇を象徴するモニュメントバレーを背景に始まるのは、20年前にカンヌでグランプリの栄光に輝いた『パリ、テキサス』と同じで、主演は『パリ・テキサス』では脚本を担当したサム・シェパードが再度脚本を書き主演もしており、更に当時彼のパートナーであったジェシカ・ラングの共演となるとファンなら感涙物です。
『パリ・テキサス』が母親探しであるのに対して、この作品では息子探しと家族の再生を描いている。
それはサム・シェパードが劇作家としても活躍している為に、アメリカにおける離婚率の高さの深刻さに警告を発している様にも見え3人のそれぞれ母・元恋人・娘と世代の異なる女性から愛を受けるダメ男の話である。
単品としても楽しめますがこの作品をより深く楽しむには、やはり『パリ・テキサス』を観る事をお勧めします。
それにしてもサム・シェパードとジェシカ・ラングが同じフレームに収まり、加えてジョージ・ケネディにエバー・マリー・セィントが共演なんて思わず涙がちょちょ切れそうです。
作品中に出てくる‘壺’に‘娘’と名乗る女の子の存在も含めて実に感慨深く、『パリ・テキサス』とは密接に関わっていると言えます。
しかしながら最後の最後にそれらを忘れさせてしまう快演を見せるティム・ロスには恐れ入りました。
(2006年2月28日シネスイッチ銀座1)
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