劇場公開日 2004年2月21日

ドッグヴィルのレビュー・感想・評価

全43件中、21~40件目を表示

4.0三部作のはじまり

2020年8月31日
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鑑賞方法:映画館

 まるで舞台劇のようなセット。背景もなく壁もない白線を引いただけの村。他の家で何をやっているのか全てわかるようになっている。奇抜な発想のため集中力なくしては観れない映画なのかもしれない。  プロローグと9章からなる3時間のこのストーリー。途中、かなり眠気を誘うのだが、後半村人の変貌に度肝を抜かされ、スクリーンに釘付けとなってしまうのだ。舞台は多分20世紀初頭で失業と貧困層の社会問題があるころに思われる。貧困が生んだ荒んだ心と閉鎖的な村でのエゴイズム。その犠牲者がグレース(キッドマン)となる。  少年ジェイソンまでもがSM気たっぷりで、まともな人間はいなくなる。そう、彼らはまさしく犬なのである。本能だけで生活し、権力にしつけられることもない。その狂気の沙汰をまざまざと見せつけられる痛い映画だったのだ。こうなってくるとラストも予想できるのだが、エンドロールの背景写真に見られるように単なるギャング映画に終ってないところがすごかった。 【2004年6月映画館にて】

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kossy

4.0ヒドイ

2020年7月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

誰かの意志は、誰かの許容で成り立つ。 その許容を汲み取れるのも人間。 そうでない人のが多いのかな。

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クリストフ

1.0自己分析の心理テスト

2019年10月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

 人の善意に頼ることがいかに危ういか、善とは悪の仮面であり偽善の一面に過ぎないという性悪説もしくは閉鎖的な部落に起こりがちな悲劇なのでしょうか、朗読劇、百歩譲って舞台劇としても、舞台自体が心眼で見ることを前提としたような囲いを排した奇異な設定である。 人類の歴史を観れば性善説を唱える立場でもなく、かといって世の中悪人ばかりではないことは自明だろう、無理を通すためには閉鎖的なドッグビルという仮想の村が必要だったのだろう。 制作者の意図を善意に解釈するとすれば反面教師として心清き人よ用心あれと言いたいのだろうか、それとも観る人の混乱する様を楽しみたい悪戯なのか。 状況説明のナレーションですら煩わしいが心理描写まで文字を読み上げる手法はかって無声芸術として誕生した映画文化の対極でもあり映画への挑戦あるいは冒涜とも受け取られかねない。既存の価値観、様式の否定からしか自己表現できない人がいても不思議はないがシュールであることイコール高尚な芸術表現と称える気にはなれません。賞賛、許容、困惑、否定と受け取り方次第が自己分析の心理テストのような映画でした。それ以前に診察台に乗った心境で178分という長さに耐えられないかもしれませんね。

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odeonza

4.5顔に道徳的な平手打ちをくらったかの様な衝撃

2019年9月12日
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恵

5.0アメリカ、鬱

2019年8月30日
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怖い

知的

難しい

随分前に観ましたが。表面上綺麗事ばかりで、偽善的、実は己の保身ばかり考え、スケープゴートを探す。一見善良な市民を装いながら狡猾で残酷な人間像を描き出した傑作です。アメリカ文化の影響を受けた日本にも当てはまることも多く、観たあと三日くらい鬱状態でした。ニコール・キッドマンをイジメる、なんて嫌な奴らだと思うかも知れませんが、間違いなく現実世界では僕たちはその嫌な奴の立場にいます。 とっつきにくい手法で描かれていますが、その観察力は鋭く、観る価値はあります。

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rocko

4.0恩寵

Tさん
2019年3月19日
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鑑賞方法:DVD/BD
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T

4.0衝撃が強すぎて忘れられない映画

2019年1月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

観たのはもう14年程前になるか…。 それでも内容と映像が衝撃的で印象に残るシーンがいくつも頭の中に断片的に残っている。 小さな村で起こる醜い出来事。 出てくる村人がとにかく醜悪で、そんな人達を受け入れ続けるニコールキッドマン。 そして最後は… また観たいけど観たくない。 でも、これだけ忘れられずにいる作品だから十数年経った今、観たら何か自分の中で消化出来るのかもしれない。 考えさせられる映画が好きな方には一度観てみていただきたい映画です。

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kaiou

5.0言葉を失う圧倒的な感動と重さ

2018年11月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

実験的で前衛的でありながら、これ程の言葉を失う圧倒的な感動を与えられるとは!傑作中の傑作だ エンディングにあのような明るい曲を持って来なければ誰も見終わった後に席に座りこんだまま動けなくなってしまうだろう 本作の重さはそれほどの感動の重さだ まず、セットに驚かされる 建物の壁もドアもない、黒い床に引かれた白線が建物の輪廓を示し誰の家か明示されてあるのみ、最小限の家具だけが置かれているのみなのだ 風景もまた無い、美しいと台詞で語られる山や谷は昼は白く夜は黒いのみだ 俳優達はなにもない白線の内側の家の中でそれぞれの行動を演技する なにもないドアををノックして開き出入りするのだ しかし効果音はあり確かに建物は存在していることをしめしている 何故見えないのか? 一体何の為にこのような舞台を用意しているのだろうか? パントマイムのような前衛舞台の真似事? とんでもない、これは神の視点なのだ 神の目からは何も隠し通すことはできない それを映画として表現しているのだ それを監督はチャックがグレースを初めてレイプしたシーンで私達に気付けるように、それまでの図面のような上からでなく、横からの町全体のショットで明らかにする 神の視点で有ることを理解できたならば、あとは全てがつながり恐るべき結末までもが起こるようにして起こる グレースはキリストであり神であった トムはユダであり、町の人々は私達人間の全ての暗喩だったのだ キリストはユダに裏切られてもなお人間の罪をみな許し、その罪を背負い昇天する しかしキリストをローマ人に売ったユダヤ人には神の怒りの鉄槌が振り下ろされるのだ 主の怒りと罰は神が操るローマ人の手によって下されたのだ 衝撃のラストシーン やはりそうであったかと、これから起こることに戦慄を覚えながら、実際にその凄惨な殺戮シーンが始まったときに我々の胸中に去来するカタルシス! それに驚かされてしまうのだ このカタルシスは一体何だろうか?! 口だけで正義や道徳、平和や平等や人権を語る偽善、自らへの欺瞞 それを神が裁き完膚なきまでに叩きこわしてしまわれた 主の怒りが裁きが行われ、人間が正しく導かれ罪を償った そのカタルシスだ 田舎だから?育った環境の問題?貧しさがそうさせたのか? 充分な教育が与えられなかったから? 人間の弱さ、不完全さからのこと? だから許す? そんなことは神が判断なさることだ 神の権限であり、人間がそれを語り許し赦されるなどと考えること、それこそ恐るべき傲慢な考え方なのだ 罪は罪だ、罰されなければならない つまりグレースの父が語る言葉こそが本作のテーマであったのだ 悪を正す勇気のなさによって、自らの良心を偽善によって騙すことによって、人間が人間を許した その傲慢さがこのドックヴィルをこの様にしてしまった根本的な原因なのだ それこそが人間の弱さだ このような結末にならないように私達は自らを常に律して、自らに厳しく、間違っていたことは直視して自らを罰しなければならない そして罪を犯した他者は正しく罰するべきだったのだ その勇気をもたなければならなかったのだ 良心を偽善でだましてはいけなかったのだ さもなければ、人間という弱い被造物はこのドッグビルの住人にたちまちなってしまうのだ 愛、正義、平和、平等、差別、博愛、偏見、人権・・・ そのような美しいご立派な言葉を口にするとき 自分は今、犬畜生の町の住人になっていないか それを私達は自らに問わなければならないのだ それは自分の良心への欺瞞ではないのか? 間違っていることを正す勇気がないだけではないのかと? 神は全てを見通しておられるのだ そして必ず罪を裁かれるのだ

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あき240

5.02度と観たくないけど大好き

2018年4月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

最初に観たので最後。あれから1度も観てない。レイプシーンがつらすぎる。 でも、とても大切で、とても好きな作品。 人の偽善、悪意、醜さ、憎悪がどんどん出てきて、子どもまで悪。でもそういう醜悪さって、見て見ないフリすると善意が殺されていく。自分がされたら絶対我慢できないことを、なんで他人にやってしまうんだろうこの人達という疑問が、観ている間ずっとつきまとう。特殊な人達じゃない、狭い社会の人間関係の中で、当たり前に生きている人達の姿が描かれている。 全編スタジオで、しかも特殊なセットで撮られているのが視覚的には非常にインパクトがある。余計な物を全部そぎ落として、頭がっちり掴まれて瞬きさえも許さない、みたいな雰囲気で、ものすごくシビアなシーンが展開されていく。 精神状態の良い日に観たって、観終わったあとはしばらく口を開けないかもしれない。とにかく重い。でも、傑作。

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うず

4.0自分の中の悪意

2018年2月10日
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レイは!?★

4.0強い憤りを感じる作品

Aさん
2016年10月17日
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悲しい

怖い

難しい

Lars von Trierの映画は定期的に観たくなる。ドッグヴィルを久々に観た。2時間超あるから一度観てから避けていた。強い憤りを感じる作品と言うか頭からラスト間際まで殆ど憤り“しか”感じない作品。個人的には舞台セットも観て欲しい

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A

4.0密室劇/復讐劇

2016年6月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

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万年 東一

4.0暗いスタジオ、チョークの白線。

2016年5月9日
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怖い

この映画は様々な角度から観ても人間は残酷で怖いというイメージが残る。 更に、この映画の斬新な手法が役者たちにとっても逃げ場がなく、残酷。 ただ、その甲斐あって、あっという間の3時間でした。 蛇足ですが、マンダレイよりこの作品が好き。ニコール・キッドマンの色白感が怖さを倍増していて(笑)

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にゃんた

5.0絶望 さらなる深い絶望

2016年1月22日
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10年ぶりくらいに鑑賞。 思ってたより遥かに傑作でした。 あっという間の170分で、とにかく絶望。 その絶望の先にある結果がまた絶望。 これを完成させたことが凄い。 建物がないから、人々の行動が見渡せるのが発明。 最高。

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アリンコ

5.0人間の弱さ

2015年11月28日
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あとにもさきにも、このてでの傑作は生まれないでしょう。斬新すぎた、人に勧め、自らも進んでみることはないが手元には置いておきたいそんな衝撃作

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soupei

4.0途中何度も観るのをやめようと思った

2015年7月29日
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ジョニーデブ

2.0まわりくどい

2015年7月19日
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鑑賞方法:DVD/BD

試みとしては凄く斬新で唯一無二 でも尺が長いしまわりくどかったように感じる 最後ああなるんだろうなって想像できてしまったから途中退屈に感じた エンディングだけやけにカラフルなのはなぜなんだ笑

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yo_cga

4.5かくも弱き人々

2015年7月12日
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怖い

興奮

知的

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ミカ

4.0この監督は、恐ろしい

2015年5月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

Trier監督、恐るべし。アメリカ三部作という位置づけながら、ひたすら悪行に耐え続けるGraceには「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に近いものを感じ、黄金の心三部作に近い印象を受けた。しかしあれからは主人公の心の美しさを感じたものの、こちらからはものすごい不気味さを感じた。 一見アメリカにある排他的な田舎の社会と見えたドッグヴィルは、その牙を美女Graceへ向けてゆく。しかし誰もそこに違和感を覚えない。Graceすらもが、全てを受け入れてゆく。それを観る私たちは、彼女の代わりに怒りを募らせてゆく。これは「ダンサー」にも言えるかもしれないが、Selmaが息子という人質を取られていたのに対し、Graceはいくらでも怒りを表現することができるはずだった。我々はここに違和感しか覚えないのだ。しかし、これは監督の思うつぼなのかもしれない。人間の善意とは、悪意とはなんなのか。怖い、怖い作品だった。しかし、長い、長い作品だった。 そういうとこHeneke監督の「ファニーゲーム」に似てるかも。

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ちかし

5.0まさか

2015年2月25日
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鑑賞方法:VOD

知的

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新宮隼