Cutie Honey キューティーハニーのレビュー・感想・評価
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これもまたシン・ゴジラへむけての習作というべきでしょう
意外と面白く破綻なく楽しめます
アニメがそのまま実写となっています
庵野秀明監督の頭に浮かぶ映像がそのまま絵になるこれまでのアニメ作品から、それをさらに一工程増やして実写に変換する
その感覚を確かめたような作品です
これもまたシン・ゴジラへむけての習作というべきでしょう
片桐はいりさんのゴールドクローが強烈な印象を残します
しかしなんといっても夏子役の市川実日子の印象が全編を支配していて、主役はこちらだったかも?と思ってしまうほどです
シン・ゴジラでの尾頭ヒロミの原形はすでにここにあります
脚本、セットなどの美術、衣装、カメラの動き、構図
こういったものは、彼の脳裏のままに実写化できます
できないのは役者です
脳裏にあるイメージに近い役者を配役してもそれは近似値であって、彼の求めるイメージと完全に一致するとは限らないのです
最もイメージに近い俳優を配役しても、その演技がまたイメージどおりであるとは限りません
そこはアニメの声優の演技と同じですが、実写は映像まで役者により一人歩きを始めてしまうのです
そこをどこまで許容するのか
あるいはそこに実写の価値を見出すのか
そのスタディーだったように思えます
クールに見えるが実は戦闘的な警部役の市川実日子が素晴らしい
庵野秀明監督による2004年の実写映画。脚本が庵野監督と高橋留美。主演が佐藤江梨子、主題歌が倖田來未。制作会社はトワーニで、この映画最後に倒産。
キューティーハニー役で主演の佐藤には印象残ってないが、警視庁公安部の秋夏子役の市川実日子が、クールに見えて実はぶっ飛んだ戦闘的警部を演じていて、とても魅せられた。
これが、シンゴジラでのクール且つ力強い演技に繋がったか。
そして、敵役の及川光博が多分計算された大袈裟なコミカルな演技で楽しませてくれた。
全体的に、アニメのルパン3世の様なスピード感が有る独特の実写映画で、楽しめた。
変身シーンのみ
何も期待せず、ただ変身シーン見たさに公開日に鑑賞。前半、オバカな演技ととチープな編集に唖然とするばかり。漫画のコマ割りを意識しすぎているためか、俳優の演技を無視した映像と展開になっている。ハニーの正体がバレた辺りからはようやくまともに見ることができるが、時すでに遅しだ。もっと丁寧に作ってあれば、笑えるシーンはいっぱいあるので、残念な結果になってしまった。雰囲気は教育テレビの子供向け番組を意識したのだろうか・・・村上淳がノッポさんに見えるし(笑)・・・
一番笑えるのは、歌って登場する及川光博。キャシャーンがこんなところで悪役になるなんて(笑)。その他、巨大化した京本等々。永井豪のカメオ出演(見逃しました)。佐藤佐吉はどこに出てたんだよ~
見所は、マジンガーZへのセルフオマージュ。次の実写版はこれか?!
庵野とサトエリで、ハニーフラッシュ!
『エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』の庵野秀明が2004年に手掛けた『キューティーハニー』の実写版。
話題にはなったものの、興行的に失敗し、厳しい声も多く、今となっちゃ駄作/失敗作と言われ…。
でも、個人的には嫌いじゃないんだな。いつぞやの全く原型が無い西内まりや主演版なんかよりずっと『キューティーハニー』である。
とにかくこの作品は、こういう作品だと割り切って高望みしないで見る事。
アニメか安っぽい特撮番組のような演出。
きっと庵野も確信犯的に撮ったに違いない。
アクションやCGが超ショボいと散々言われるが、それも狙い。
アニメと実写を融合させたような本作の造語である手法“ハニメーション”はなかなかユニーク。
開幕早々それを見せてくれる、OPのハニーvsゴールド・クローは、倖田來未のカバー名曲の効果もあって、最ッ高にノリノリ! テンションアゲアゲ! このシーンだけなら5点満点でもいいくらい(笑)
アニメのポップさそのままに、ノれれば楽しめると思うんだけどな~。
忘れちゃならないハニーがハニーである重要要素、西内まりや版では排除された“お色気”。これは勿論!
何と言っても佐藤江梨子の起用が大きい。
見よ、彼女のナイスボディ!
いきなり冒頭からゴミ袋を纏った姿で街を走り、部屋では下着姿、そしてある時はOL、またある時は婦人警官…様々なキュート&セクシーコスプレ。
この役を演じる為の神ボディ!
演技力には難アリだが、それが何だかハニーの天然っぽさを醸し出している。
サトエリの魅力をたっぷり堪能。
周りのキャラも負けず劣らず。
尾頭さん…じゃなくて、ツンデレな女刑事役の市川実日子はぴったりなキャスティング。
パンサークロー四天王もそれぞれ個性的。中でもやはり、ブラック・クロー=及川光博とゴールド・クロー=片桐はいりだね。
個人的にMVPキャラは、パンサークロー首領シスター・ジルに支える執事。常に低姿勢、誰に対しても様付けの敬語、それでいて異様な存在感を発揮する手塚とおるの怪演が一際印象的。
庵野作品らしかぬ底抜けに明るく楽しい娯楽作だが、所々庵野色も。
元気ハツラツヒロインのハニーだが、会社では役立たず。友達は居ない独りぼっち。殺された父の事を思うと、怒りと悲しみが…。
市川演じる女刑事も孤高。
友達を欲するハニーと独りで意気がる女刑事、女二人に次第に芽生える友情。
敵のシスター・ジルも美だけを追求するあまり全ての感情を無くし…。
各キャラに孤独や影を投影させてる辺り、庵野らしい。
また、素早いカットや独特のカメラワーク、演出など、後の『シン・ゴジラ』をこの頃から彷彿させる。
まあ、全てが最高という訳でもない。辛口意見も分かるっちゃあ分かる。
雰囲気は楽しいが、話自体はそれほど面白味は無い。
OPアクションがピークで、徐々に失速。
サトエリのPV、ユルくておバカなギャグ…。
ノれるかノれないか、好き嫌いハッキリ分かれる。
でも久し振りに見たら、まあまあバランス取れていた。
さながら、庵野流『シン・キューティーハニー』。
アニメには及ばずとも、何度か作られた実写ハニーの中でも、上々のエンタメ作だと思う。
色気が決定的に足りないキューティーハニー
いきなりサトエリの入浴&白ブラに白パンという純真な男子高校生なら二杯は楽勝でイケちゃいそうなシーンでスタート。
さっすが『キューティーハニー』さん、話が分かるッ!
と思ってみていたら、どうも空気が違う。
最初の期待感のままでずーっと。それ以上のお色気がないのだよね~。
サトエリに求めるのが無理な話だったのか何なのか。
とりあえず相棒の市川実日子が色気ゼロなので、「なんとなく色っぽいでしょ」なノリは相対的にキープできてなくもない。が、さてどうなのか。
原作はマンガもアニメも未見なので再現度を四の五の言う気はまったくないけれど、マンガや昭和アニメの雰囲気をそのまま持ってきました的なシーンは良くも悪くも特徴的。
360度全周包囲で内側に向けて発砲すれば、そりゃ同士討ちして当たり前だろってツッコミ入れたくなる。
たぶん、原作ファンなら「そうそう、コレコレ! バカだよね~」ってなるのだろう。未見だから知らんけど。
しかし特撮を期待して観た場合、どうも勝手が違う。
コスチュームも肝心のキューティーハニーが素人のレイヤーさん衣装より安っぽく見えるってどういうこと?
もうちょっと頑張ってくれてもいいんじゃないか。特撮映画なのだから。
同じことが悪役の秘書にも言えて、そのカイゼル髭、付け髭なのがモロバレじゃんか。うーむ。
ただ片桐はいり、及川光博ら敵役四天王は、とっても活き活きしている。
特にゴールデン・クローの片桐はいりは、おバカなキャラをこれでもかと体当たりで演じていて、観ている側も気持ちいい。終わり際のあっけなさも秀逸。
といっても観客としてはキューティーハニーのお色気に期待しているのだし、もうちょっとの感はとっても強い。
少年誌にあるような「イヤ~ン」的な何か。ヌードという直球じゃなく、しぐさや妄想で喚起されるエロというのがもっと盛り込まれてよかったんじゃないのかと。
結局、冒頭の入浴や白ブラ+白パン以上のエロ~イなシーンがないのだよね。
そういや、主題歌を歌った倖田來未は「エロかっこいい」などと言われてセクシーなポジションを確保していたのに、本作は彼女ほどはお色気バイーンな作品になりきれなかったな、と。
構造としてサトエリ主演のアイドル映画という類型になってしまっている以上、彼女の女性らしさをガツンと出さないことには始まらない。
某スイーパーな言い方すれば、もっこりしてくれなきゃ困るわけだ。
サトエリも素材はいいのに、本人の意識不足なのか周囲のプロデュースがヘタなのか、あと一歩な感じが強い。
だったら観ない方がいいのか。
否。アイドル映画として見た場合、旬な時期に製作された本作、彼女のファンなら押しといえるだろう。
では評価。
キャスティング:4(キューティーハニーが包含する「エロ」の部分でやや不足)
ストーリー:3(お色気プスプスゥ~で肝心な部分が足りない)
映像・演出:4(お色気要素が不足。もう少しがんばりましょう)
特撮:7(わざとチープなのだと見れば、とってもうまい作り)
お色気:4(中高生向けの健全エロを強気に押しすぎた)
というわけで総合評価は50点満点中22点。
スケベな画像がネットに氾濫している昨今、ストレートなエロは映画にいらない。
長尺映像ならではのお色気を押し出しできる作品なら、もっとオススメできたと思う。
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